リスニングの勉強法、その2です。
さて、A君ですが、いつまで経ってもリスニングの点数が安定しないので、英語の
先生のところに相談に行きました。書店で買ったリスニングの本を持って。
A君 先生、この本を使ってるんですが、聞き取れるようにならんのです。
先生 どうやって勉強してるの?
A君 とりあえず前からどんどん問題を解いていってるんですが・・・
先生 正解率はどんなもんなの?
A君 70%ぐらいでしょうか。長い文章になると聞き取れなくて。
先生 それは集中力が足りないな。
なんて感じで若い頃の僕なら答えてたんだろうなと思いながら書いております(汗)
実際には集中力が足りないから聞き取れないというわけではありません。
長い文章を聞くための集中力は必要ですが。
A君は問題集を買ってどんどん解いていってるわけです。これ自体は問題ない。
ところが問題を解くというのは、ある程度聞ける人がやることではないかと。
わかりやすく言えば・・・
日本語の聞き取り能力が低いアメリカ人がいたとします。この人が日本語のCDを
買ってきて、聞きながら問題に答え続けたとしましょう。
これは正解した! これは間違った!
こんなことをしながら1冊の本を終えたと。日本語が聞けるようになりますか?
絶対になりません。その前の段階で必要な知識がないと聞けるようになりません。
たとえばCDから「鉛筆が1本、2本、3本」なんて流れてきます。これをその人が
聞き取る際に大事なのは、鉛筆の数え方って「いっぽん、にほん、さんぼん」に
なるという知識ですね。決して「いちほん、にぼん、さんぽん」ではない。
これが鉛筆ではなく人になると、数え方が異なります。
「いちにん、ににん、さんにん」ではなく「ひとり、ふたり、さんにん」になりますよね。
自動車になると「いちだい、にだい、さんだい」になったりする。
こういう知識がないと聞けるものも聞けないということになる。音の知識です。
漢字で書くと「1本、1人、1台」なのですが、その中の「1」の読み方が違います。
英語でも前段階となる「音の知識」がないと、いくら問題を解いても意味がない。
どういうケースで音が消えるのか、どういう感じで音がくっつくのか、どういう感じで
音が強くなったり弱くなったりするのか、そもそもそれぞれの音ってどういうものか。
そういった知識がない人が問題を解いても意味がないということですね。
例えば母音と母音に挟まれたT音はL音になるのはご存知ですよね?
waterは「ウォーター」ではなく「ワラ」になるし、betterは「ベター」じゃなく「ベラ」に
なります。あるいはTとLがつっつくとTもL音に変わる。littleは「リル」と読みます。
またmonthのth音は知っていても、monthsとなると「マンスス」なんて発音したり
する人がいる。実際にはtwo monthsは「トゥー マンツ」と発音します。
CDから「トゥー マンツ」と聞こえてくるとして、その前の段階でthにsがつくと[ts]音
になるのだという知識がないと、それがmonthsという文字に結びつかない。
なので今日の教訓ですが・・・
基本的な音のルールを知れ!でないと問題をこなしても意味がないぞ!
ということなのです。
実は12月11日に東大英語基礎力マスターの最終巻が出るのですが、その本の
第1章に音のルールについてまとめましたので、よければご覧ください。
続きはまた明日書きますね。お楽しみに。
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(追記)今日は東京で学校の先生方対象の講演です。100名定員がアッ!と
いう間に埋まりました。参加される先生方、よろしくお願いいたします。