KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

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基本的な力をつけて、数をこなそうぜ

Posted on: 2009年5月29日(金) 22:28

山田クンと西山クン
(実は誰も歌ってない)

長文の読み方がわからんっていう人が多いようですな。まぁ、そうなんだろうなと
最近の出版不況を見ていると思う。一部の作家の本しか売れてませんからね。

出版不況と長文の読み方に何か関係が?

あるある。大いにある。

英語特有の読み方ってのがないのかと問われれば、確かにないわけではない、
と答えざるを得ないけど、それってのはある程度読める人の話だ。

たとえば僕の場合、おそらく年間に読む英語の数は数えられない。旺文社から
国公立大学や私立大学の入試問題が載った『全国大学入試正解』が届く。

そうするととりあえずは全ての問題を解いてみる。

東大は当日にどこかの会社から「解け」と言われるので、しぶしぶ解いているが
しかしそれ以外はあまり解いてくれと言われることがないので解かない。

でもそれだと「一橋の入試についてどう思いますか」なんてインタビューされると
非常に困ることになるので、だから一通りは解くことにしてる。

中には解答が間違ってるものもあってね、そういうのを見つけると旺文社さんの
蛍雪時代の編集者ふうかちゃんに連絡してやりたくなるが、担当が違うんだろう
し、わざわざ言われても、まさか増刷されるような本でもないので放っておく。

それ以外にもいろんな英語を読むので、自然と読むのが速くなってくるわけだ。

なぜかと言うと、前回書いたディスコースマーカーに気をつけたり、パラグラフの
成り立ちを意識したりするからだ。だから前も書いたが、そういうものに気をつけ
ながら読めるようになるには、結構な数をこなす必要があるのだ。

高山西高校

でね、それはそうとこういう人いません?

第1段落を読み、「なるほどなるほど」なんて思いつつ第2段落へ進み、第3段落
へ進んでいる頃には第1段落の内容をほとんど忘れているというタイプの人。

だからセンター試験の長文の最後にあるような内容真偽問題をやる際になると
またぞろ最初から該当箇所を探すために読まねばならないというタイプの人。

その人はやねぇ・・・

英語の長文問題を解くのが苦手なんじゃないよ。

英語のせいにするんじゃない。

そういうタイプの人は、読書ができないんじゃない?全訳を読めば理解できる?
理解できないのであれば、読書ができてないってことになる。

かく言う僕も哲学や思想、文化、比較文化、言語、歴史などの社会科学や人文
科学について書かれた文章は得意ですが、自然科学になるとなかなか読めない。

なぜかというと、そう、自然科学について書かれた日本語の論文なんてなかなか
読んだことがないから。そういう文章を読むのに慣れていないのだ。

だからCFCsが出てきたり、Fe2が出てきたり、あるいはアインシュタイン博士の
相対性理論が出てきたりすると、フーフー言いながら読むことになるのだ。

だから先生方相手の講演でよく話をするのは、英語の基本となるのは3つある
ってことだ。この3つが備わっていると、英語の長文も比較的楽に読める。

その3つとは、単語力・文法力・読書力なのだ。

だから長文にしても、あるいは長いのを聞かせる東大のリスニングなんてのも、
読書をしたり人の話を聞いたりする習慣のない人にとってはかなりタフになる。

ということですな。

逆に言えば、その3つが備わっている人は、数をこなすことで英語長文問題を、
読めるようになるし、当然解けるようにもなるってことだ。

そして数をこなしているうちに「あぁ、この著者は面白いなぁ」とか「この小説って
泣けるなぁ」とか、要するに内容を分析しながら読めるようになる。

そして上に書いた「ディスコースマーカー」だの「パラグラフリーディング」だのが
意識できるようになる。数を解くことで速読も自然とできるようになってくる。

どの問題集がいいですかって聞いているうちはまだまだ。

少なくとも書店に並んでいる長文問題集は全て解くぐらいのつもりでいたほうが
いいんじゃないかと思う。全部買っても安いもんだ。1冊数千円で済むんだろ。

大学に入れなかったら1年間に何十万飛ぶと思ってるんだ。何十万じゃ済まん。
よく考えたら来年の受験料や宿泊費も含めたら、怖ろしい額になる。

本はケチるな。そして数をこなそう!

自分への投資は惜しまず、単語力や文法力を付けたら、書店で見ていいなぁと
思った本を片っ端から買って、それを受験までに全部やってしまおうぜ。

その中に僕の本が入っていたら、それは嬉しい。

でも他の先生の本でもいい本はたくさんある。最近、和田玲先生が出された本も
CDが付いていて、音読の仕方まで書かれていて、非常にいい本だと思う。

高3生だったら、年間に300長文ぐらいでいいとは思うけどね。でも僕は自分の
生徒たちに500長文ぐらいは課すことにしてる。それで落ちたらしょうがない。

そしてそういう問題集をこなしながら、新聞でも本でも何でもいいので、まとまった
文章を読む習慣をつけよう。面白くないと思っても読み進めることだ。

面白くないのは著者のせいかもしれんが、読者のせいでもある。読者が未成熟
で、その著者の言っていることがわからんケースも多々ある。

自らの無知と無教養を恥じながら、一所懸命に吸収しようとして、読むべし。

往復20キロ自転車をこぎまして、お尻が横に割れそうです。
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(追記)夏に朝日カルチャーセンター新宿教室さんの協賛で、先生方対象の
     ワークショップをやらせていただくことになりました。
     こちらをご覧になり、お申し込み下さい。個人指導もいたします。
     それと生徒と保護者の方々向けの講演はこちらをご覧下さい。

(追記)さぁ、採点の続きやろ。

 

 

 


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