KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

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『顔ニモマケズ』水野敬也 著

Posted on: 2017年7月18日(火) 13:48

kao

灘校の生徒たちには毎月僕の読んだ本を推薦しているのです。
どんな本を推薦したのか私たちにも教えてくださいという
メールをちょくちょく頂くのですが、毎回というわけにも
いかないので、たまにこうして紹介するようにしています。

『顔ニモマケズ』(水野敬也著)をご紹介します。

『人は見た目が9割』という本が売れたのは数年前のことです。
この手の本はタイトルで著者の言いたいことがある程度は
つかめますので僕は立ち読みで飛ばし読んだのですが、
思ったとおりの内容でした。

確かに見た目(ここでいう「見た目」は清潔感を意味する)は、
特に相手に良い第一印象を与えるという意味では重要で、
我々はどんな仕事をするにあたってもある程度の「見た目」は
意識すべきだとは思います。

ただし、もしも生まれつき顔がゆがんでいたらどうでしょう。

先天的にどうしようもないほどに、顔や皮膚などが他の人たちと
違っていたら、特に思春期の君たちは想像を絶するぐらい思い
悩むのではないでしょうか。

顔が左右非対称であったり、片方の目がなかったり、極めて大きい
あざがあったりしたら?

今回皆さんに紹介したのは、先天的な病気のために顔になんらかの
障がいがあって、だけれども強く生きて、現在は幸せに暮らして
おられる9人のノンフィクションなのです。

おそらくこの人たちも相当悩まれたのでしょう。

けれどもそれを乗り越えて、それぞれに生きがいをみつけ、一生懸
命に生きておられます。真摯に病気と向き合い、なかには生涯の
伴侶とともに夢に向かって歩を進めておられる人もおられます。

その姿を見るにつけ、自分はなんと思い上がった人生を過ごしてきた
んだろうという気にさえなります。

kao

本書に登場する中島勅人さんは「今でもどうして自分の顔は
左右対称じゃないんだろうと思うことはあります。でも
ベストコンディションではない状態で、それでもなんとか
前に進んでいく。
するといつの間にか進むことに夢中になっていて、顔の問題
が消えていることに気づくのです」と表現されています。

石田祐貴さんは「僕は、世の中にあるものは、どんなものにも
何か意味があるんだと思います。この症状を持って生まれたと
いうことは、この症状を持っている自分だからこそできること、
自分だからやりやすいことがあるんじゃないかと思っています。
それを、これからも探し続けたいです」と語っておられます。

背が高ければいいな、もっと痩せていればいいな、ここにほくろ
がなければいいな、もっと眉毛がきりっとしていたらいいのにな…

生きていると外見で悩むことが少なからずあるのですが、そんな
ことじゃないんだということを教えてくれる本です。

特に若い人たちには手にとってほしいと願って推薦しました。

あるいは外見のことで誰かを傷つけてほしくないなという思いで
推薦しました。

なお、著者の水野さんは『夢をかなえるゾウ』で有名ですが、この
本の印税を「見た目問題」の解決を目指すNPO法人マイフェイス・
マイスタイルにすべて寄付することを宣言されています。

夏休みに読んでみられてはいかがでしょうか。

 

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました。
これからもこういう形で推薦させていただきます。

 


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