KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

kimutatsu

学参も時代が変われば

Posted on: 2009年11月24日(火) 14:59

in his house

何も知らない人が、押し入れを開けてこんなものがあったら、普通びっくり
されるんじゃないかと思うのです。さぞかし飛び上がるぐらいに。

でも人によっては自宅にこういう物があるのは普通だというケースもある。

もちろん「普通」を一元化的に定義することは不可能なんだけど、そう考え
ると「常識」を定義することも不可能なのですな、これが。

常識で考えるとわかるだろという物言いがある。

しかしそれは、我こそは常識なりという驕りがあるからであって、一元化で
きないものを基準にして考えるという離れ業ができようはずがない。

でしょ? 常識的に考えて!

あれ?

いや、言葉ってのは面白いですね。

以前ある大学の入試問題にそういうことについて取り上げた物がありまし
てな。なかなか興味深く読ませていただきました。

暗いところには犯罪が多いはずなので街灯をつけたと。

そうすると犯罪者の手元が非常によく見えるために、逆に犯罪が増えた
という例が書いてありました。

外科手術をした後はじっとしているのがいいのだという時代もありました
が、今では終わった当日から歩いていいよと言われるとのこと。

否、むしろ義務的に歩かされるらしい。

これは「常識」が変化したことの例でして、ということは「常識」を定義するこ
となんてできないということになる。定義するとしたら「変化し易い、極めて
そうあるべきだと考えられている理想的考え」なんて不安定なものになる。

何を言いたいかと言うとですな。

英語の勉強法に「常識的考え」なんてものはないのであります。

cover

例えば私が受験生の頃に、伊藤先生がお書きになった『英文解釈教室』を
一冊やれば、英語の達人になれるという「常識」がありました。

が、さすがに今それを言う人はほとんどいません。

少なくとも僕の周囲にはまったくいません。

何故なら『英文解釈教室』をやるのには凄く時間がかかるにもかかわらず
やり終えたからといって、喋ったり聞いたりできないからです。

場合によってはリスニング・英作文・スピーキングなどを別に勉強し直さね
ばならないと羽目に陥ります。

僕が灘に来てからその本をやっている生徒を見た経験は過去に1人だけ。

もちろん悪い本ではありません。

ありませんが、使い方を間違えると時間ばかり食って・・・という可能性があ
ります。それは時間の足りない現代人にはよろしくありません。

伊藤先生が書かれた時代の英語教育と、現代の英語教育に求められて
いるものが異なるのが、多くの人が使わなくなった原因です。

当時はリスニングもなかった。スピーキング能力も要求されない。

リーダーの授業にリーディングの授業をやり、グラマーの授業に英文法を
教わって、コンポジの時間に英作文の授業をしていた時代です。

だから英語を6年も習ったのに、喋れないだの聞けないだの批判されてい
た時代です。今はかなり改善されてきました。

6年が終われば(普通に勉強していれば)喋れるし聞けます。

僕がこれから書こうとしている英語の勉強法と、それに伴う参考書や問題
集の利用例の中には、残念ながら『英文解釈教室』は出てこない。

では僕は『英文解釈教室』を評価していないのかというと、そうではない。
あれはあれで当時は良かったと思うのです。誤解のないように。

でももうあの本を勧めることはしません。

何故英語を勉強するのかという視点を持てば、その理由もわかってもらえ
るのではないかと思います。英語を使えるようになりたいという視点でこそ
我々は英語を勉強しなければならないのです。

そういう視点で、「夢をかなえる英語勉強法」を書いていこうと思います。

 

(追記)お勧めの問題集50冊(春バージョン)をやっと選び終わりました。
     お陰で何人かの著者の先生と知り合うことができました。
     間に立ってくださった桐原書店の方々、ありがとうございました。

 


ACCESS COUNTER

Total 37973989 Hits!

▲PAGE TOP