KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

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お勧めの本をご紹介

Posted on: 2011年8月9日(火) 21:30

 

 

 

 

 

 

朝から「ここは熱帯か」と言いたくなるようなグラウンドへ行って試合と審判をこ
なし、帰ってからは執筆という毎日を送っているのはもう書いた。

その合間を縫って大好きな読書に勤しんでいるのだが、前から言っている通り
小説家になりたい木村はここのところ小説ばかり読んでいる。

あまり偏らないようにと思っても、遠藤先生、浅田先生、向田先生に加えて最
近は荻原浩先生にも魅せられていて、その4人の作品を中心とした同心円を
描くように多くの作家の本を読んでいる。

で、以前から僕の文章とは全然違う文体だけど、こんな文章が書けたらいいな
と思いながらあこがれていた人の本をまとめて読んでみた。

綿矢りさという名前はすでに現象ではなくなったとは思うけど、でも文芸界では
綿矢と金原が芥川賞を受賞した際に唖然とした文士志望者は多かったはずだ。

言うまでもなく、そのうちのひとりが僕だ。

で、綿矢りさが17歳のときに文藝賞を受賞した『インストール』と、その3年後に
芥川賞を受賞した『蹴りたい背中』を読み返してみた。

こりゃ勝てませんな。完璧ですな。文体もさることながら、体言止めの手法とか
句読点の打ち方とか、何から何まできっぱり脱帽したくなる。

灘の職員室に数学オリンピックや化学オリンピック、物理オリンピックなどでメダ
ルをとった生徒たちの名前が書かれてた。この生徒たちは凄いんだろうなと思う。
凄いんだろうなとは思うけど、文系人間の僕にはその凄さがよくわからない。

でも17歳で『インストール』を書き、20歳のときに『蹴りたい背中』を書いた綿矢
は相当凄いと思う。その後の作品もおしなべて。

そしてその凄さがよく理解できるからこそ、正直言ってとても悔しい。自分の力の
なさを嫌というほど見せつけられたような気がして。

先日、通訳の柴原先生が「英語の能力を伸ばすためには母国語の力を伸ばさな
いといけない」と仰っていた話は書いたと思う。

僕の場合は英語力を付けるために本を読んでいるわけではないけど、とりあえず
のところは綿矢先生に近づけるように、たくさん本を読もう。

まだ読んでない人は読んで下さい。綿矢りさの『蹴りたい背中』と『インストール』。
向田先生や浅田先生の文章のような美しさはないかもしれないけど、凄さは感じ
てもらえるのではないかと思っています。

 
(追記)どうしてこの内容で上の画像を選んでしもたんやろ。名古屋の人たちです。

 


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