KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

kimutatsu

本のご紹介を

Posted on: 2012年2月14日(火) 22:03

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかたくさんチョコレートを贈ってくださってありがとうございました。なかなか
すぐには食べきれないので、オフィスの冷蔵庫に入れて少しずつ食べます。

お気遣いありがとうございます。

先日、兵庫県の英語の先生方の前で講演を依頼され、話してきたのですけれ
ども、そのときにお逢いした新垣先生から本の紹介を増やしてほしいというリク
エストがありました。

今月、灘の生徒たちに紹介した本のコラムをこちらにもアップしますので、もしよ
かったらお読みください。

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『向日葵の咲かない夏』道尾秀介

ストーリーの視点や展開が面白くて、なおかつ文章力のある小説が
三度の飯より好きなのです。それがあればとても幸せな気分に浸れ
ます。

展開がいくらエキサイティングかつエキセントリックであっても、文章
力がない小説は読んでいてイライラします。本屋大賞という賞があり
ますが知っていますか。全国の書店員さんが、その年に最も売りたい
本を投票して決定するのです。ところがそれを受賞した作品であって
も、「これが?」と思わずにはいられない文章の小説が思いの外たく
さんあります。確かに展開は興味深いかもしれないけど、こんなの何
の調査や資料がなくても、妄想だけで書けるじゃないかという本は薄っ
ぺらいし、実際そういう本の場合、表現も読者に迎合しているかのよう
な陳腐な言葉が並ぶことが多くて辟易してしまいます。以前、そういう
本が選ばれていて、がっかりしたことがあります。

また、芥川賞や直木賞を受賞しても、それで燃え尽きてしまって創作
から離れてしまう作家もたくさんいらっしゃいます。書く力があるのに
もったいないですよね。物書きの場合、文章を書き続けているからこそ
見えてくるものがあります。書き続けているからこそプロットの展開を
構成する力も文章を書く力も付いてくるものです。芥川賞や直木賞は
新人賞なのです。それがスタートラインなのに、よーいドンで燃え尽き
てしまっていてはナニヲカイワンヤなのですね。世の中には掃いて捨
てるほど作家がいるのに、売れっ子作家がほとんどいないのは、言う
なれば一種のデフレスパイラルで、著作業だけでは食っていけないか
ら他の仕事をする(タレント業など)→そっちのほうがメインになってくる
→創作から離れていく→文章を書く力が付かない→ますます売れない、
ということになっているのではないかと思っています。

「道尾秀介は裏切らない」という帯の文句を見てこの本を手に取り、レ
ジに持っていきました。浅田次郎先生や遠藤周作先生、宮本輝先生
の文章に慣れてしまうと、なかなかこれはという作家に出会えない上
に、自分の書く文章にさえ辟易としてしまうものです。その中で若手作
家の書いたこの本を推薦した理由は、「裏切らない」というスローガン
が決してオーバーではないと感じたからです。死後の世界を、予想を
覆す形でうまく、そして時としてはコミカルに取りこんでプロットを展開
させながらも、人間の深層心理をおどろおどろしく表現しているあたり
は、今までの作家にはなかったものではないかと思っています。今年
読んだ本の中では一押しの作品です。(木村)

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他にも面白い本はたくさんあるのですが、今日は道尾の作品を紹介しました。
まだ読んでない人はどうぞお読み下さい。

 
今日も僕のブログに来てくださってありがとうございました。
読書は全ての勉強の基本です。どの本を読めばいいかわからん
という人は、とりあえずこの本を買ってみてください。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 本の紹介  

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