KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

カテゴリー別アーカイブ: 教育全般

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管理職

Posted on: 2016年9月15日(木) 2:23

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チームキムタツには約3200名の先生方が登録されていますので
いろんな学校の話を聞く機会が多く、どの学校でもいろいろと
先生方がご苦労されているなぁと思っています。

文科省が語る理想像と現実とのズレはまだいいとして、管理職が
ストレスになっている先生も多いようです。

管理職って教員を管理するのが仕事なのではありません。

管理職は先生方が気分よく働けているかどうかをチェックするのが
仕事なのであって、先生方に指示を送りながらエラソウな態度で
ストレスを与えるのが仕事ではないはずです。

先生方に「明日もこの学校で働きたいな」と思わせるのが管理職の
仕事です。少なくとも前任校で僕はそう教わりました。

学校におけるヒエラルキーは、生徒たちが一番上、生徒たちに直接
コンタクトする現場の先生方がその次、管理職が一番下です。

下といっても、立場が下という意味ではない。縁の下という意味です。

多くの先生方に聞くと、管理職の先生方からのパワハラとか圧力とか
がひどくって、もう学校に行きたくないという人もいらっしゃいます。

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どうしてそんなことになってしまうのかを考えてみると、管理職の人
たちも、自分がヒラのときにエラソウにされてたんでしょうね。

で、いよいよ自分が管理職になったら、やっとエラソウにできるって
思ってしまったのかもしれませんね。

もしかしたら「管理職は教員を管理する立場なんだ」と勘違いしてし
まったのかもしれないですね。

あるいは管理職もサラリーマンで、さらに上の経営者からけっこうな
プレッシャーをかけられている私学もあるんでしょう。

ただ1つ言えることは、先生方が疲弊しているような学校であっては
生徒たちに良い影響が及ぶわけがないということです。

先生方が「明日もここで働きたい」という学校でないと、進学実績を
含めて、いい結果につながるわけがないですよ。

その意味で、管理職の最大の仕事は「先生方を疲弊させない」だと
僕は信じています。そしてこれはおそらく真理だと思っています。

僕が灘校の管理職になることはないでしょう。

でも何かの縁でどこかの学校の管理職になることがあったら、僕は
立場が下の先生方を守る管理職でありたいと思っています。

全国の先生方、心と体の健康にはくれぐれも気をつけてください。

僕もがんばります。

 

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました!
おかげさまで灘校は働きやすい職場です。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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樫尾セミナー終了の巻

Posted on: 2016年8月25日(木) 21:40

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カシオ計算機主催のセミナーが終わりました。郡山が約30名、
東京が約120名、横浜が約60名、先生方がご参加下さって
13時ぐらいから19時前まで様々な指導法を研修しました。

今、横浜のセミナーが終わって帰る新幹線の中です。

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教育にとって大事なことはいくつもあります。

でも教員が学び続けようとすることこそが、実は一番大切です。
大小合わせていろんな勉強会が今はあります。

ほとんどが営利追及していない無料のものです。

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僕のチームキムタツは3200名強の先生方による勉強会ですが
これも無料です。お金がなくてもやる気さえあれば参加できます。
(もちろん時間的余裕がある程度はないと参加できませんが)

ご参加くださった全ての先生方に敬意を表します。

僕も負けずに学び続け、いい授業ができるよう努力します。

この3日間、お会いした先生方、お疲れ様でした。

また会いましょう!

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました。
懇親会、楽しいのです。楽しいのですが・・・
毎日続くと太ります。涼しくなってきたし、走ろう。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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英語教育改革のカギは・・・

Posted on: 2016年7月28日(木) 20:00

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靜先生の刺激的なブログが面白くて読んでおります。

*************************
英語教育改革のカギは、ICTとアクティブラーニング
なんて言っている輩にロクな奴はいない。

間違いなし。

ICTくだらん。

チョークと黒板が基本。

チョークと黒板でできないことはほとんどない。

チョークと黒板でいい授業ができる人が、ICTを使えば
多少はもっと便利な授業はできるが、

チョークと黒板で効果的な授業ができない奴が、機器の
力を借りて効果的な授業ができることはあり得ない。

*************************

靜先生のブログはこちらです。

本当にそのとおりですね。

ICTもアクティブラーニングも、授業力を劇的に上げるための薬
というわけでは全くありません。

ちなみに僕は紙の教科書と黒板とチョークを使い続けます。

 

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました。
上の写真、靜先生の横にいらっしゃるのが立命館の今井先生、
僕の横にいるのが渋幕の加藤先生です。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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ICT教育の勉強会 in 福岡

Posted on: 2016年7月11日(月) 10:41

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昨日は福岡でチームキムタツのデジタル勉強会でした。羽衣学園の
米田謙三先生と一緒にセミナーの講師を務めました。

謙ちゃんとはいつもあちこちで一緒にやるのです。

彼は知る人ぞ知るデジタルの世界の第一人者なのです。

チームキムタツの勉強会は常に無料です。なので謙ちゃんにも宿泊
費も交通費も渡せません。彼だけでなく、誰に講師をお願いしても
教員も企業も全て無料参加なので、いたしかたないことなのです。

それでもやるよと言ってくれる人にしか講師を頼むことはできません。

快諾してくれた謙ちゃんに感謝したい。

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これ以外にも、ブース展示はなかったけどたくさんの企業の方々が
ご参加くださいました。三省堂、東京書籍、増進堂などなど。

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受付をしてくれた徳永先生と馬場先生です。いつもありがとう!

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チームキムタツ九州支部支部長、久留米大附設の大藪先生。

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教育を知らない人からすれば、生徒たちにタブレットを配布して授業
をしたとか、デジタル教科書を使って授業をするとかいうのを聞くと
なんか凄いなぁと思うかもしれません。

あるいは教育効果が上がると思う人もおられるはずです。

実際に政治家の方々がそういうふうに言っているのを耳にします。

が、まったく違います。断言できます。

パソコンを使って授業をしたら成績が上がるなんてのはあり得ない話
で、昨日は米田先生も僕も大藪くんも口をそろえていっていたのは
パソコンは単なるツールでしかなく、パソコンを使っても成績が上がる
かどうかなんてわかりませんよということです。

懇親会で大藪くんが言っていた「授業が上手い人がPCを使って省力
化することはできるけど、そもそも紙のテキストを使って上手く生徒の
力を付けてやれない先生がPCなんか使うと余計に面倒なことになる」
ってのは大正解やと思います。

昨日はまた大盛況でした。

米田謙ちゃん、会場提供してくださった浦川先生、幹事の大藪くん、
『本に訊け』の編集をしてくれた藤木くん、そして参加してくださった
多くの先生方、業者の方々、本当にありがとうございました!

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました!
講師を務めて頂く先生は普通の学校の先生なのです。
他の学校でどういうことをしているかを聞くだけで
我々は勉強になります。エライ先生でなくてもいいのです。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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大人にこそ余裕を

Posted on: 2016年7月5日(火) 7:22

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期末考査がスタートしてゆっくりしています。

いくら職員朝礼も生徒朝礼もない灘校とはいっても、時間割変更の
可能性があるので普段の朝は7時50分ぐらいに出勤しています。

でも定期考査のときは試験監督に間に合えばいいのです。

今日は2コマ目に試験監督が入っているので9時半までに出勤すれ
ばいい。

それでも6時前に起きて朝食を食べ、シャワーを浴びてしばらく本を
読み、パソコンを開いて今から原稿を書くのですが、こういう贅沢な
時間の使い方を多くの先生方ができる環境が整えばいいのになと
思っています。

教員こそ時間の余裕が必要です。

というか大人にこそ時間の余裕を。

大人に時間がなくて主体的に学ぼうとしても余裕がない現状では
子どもたちのアクティブラーニングも何もあったもんじゃないと思う
今日この頃なのです。

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました。
採点がんばろ。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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世界で競う生徒を輩出する教育・・・灘中高

Posted on: 2016年6月28日(火) 17:13

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読売新聞ONLINEで灘校の教育が取り上げられているのを見つけ
ましたので、リンクを貼り付けておきます。

灘校なんかエライ子らばっかりやねんから、どう教えたってできるよ
うになるわ!と言ってる残念な他校の先生方もおられるみたいやが、
それほど甘くないうえに、海外の大学に合格できる程度に育てよう
と思ったら、そのレベルにまで英語を話せるようにしようと思ったら、
授業だけではどうしようもないのですわ。

授業をベースにした、生徒たち自身の主体性=アクティブラーニング
が必要となります。

したがって(何度も言ってるが)アクティブラーニング型授業の導入
なんて言葉を聞くと、ほんまわかってへんなぁと思います。

アクティブラーニングってのは生徒たちの姿勢であって、教員の授業
スタイルのことではありませんねん。

授業中はSTUDYしかできません。

LEARNは授業以外のところでやりますねん。

それを主体的に取り組ませるための雰囲気づくりとでもいうのでしょ
うか、学校にはそれが必要やと思っています。

補習とかでがんじがらめにするような学校ではキツイと思います。

先生方が疲弊しているような学校でもキツイと思います。

文科省官僚たちには言うたのですが、灘校でどうしてそういうことが
できるかというと、教員に時間的な余裕があるからです。

余裕が与えられたのですから、こっちも努力しないとあきません。

たとえば東大の問題ぐらいは簡単に解ける程度の教科の力は必要
です。でないと教材研究に時間を取られすぎることになります。

普段から本を読んだり専門外の話を聞きに行ったりして、教員自身が
いろんなことを学んでおかないと、主体的学習の雰囲気は作れません。

自分の専門を鍛えるのは言うまでもないことですが、それ以上の見識
が必要です。で、多くの学校の場合、それをやるには先生方が
あまりにも忙しすぎます。雑用が多すぎる。

文科省官僚の人たちに言いたいのは、本当にアクティブラーニングを
学校の生徒たちに推進したいのであれば、先生方に大いなる自由を
与えて多くのことを学んでもらわないと絶対に無理やと思っています。

というわけで、前置きが長くなりました。

「世界で競う生徒を輩出する教育・・・灘中高」のリンクはこちらです

どうぞお読みください。

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました。
僕は卒業生ではないので、客観的に灘校を見ていますが
少なくとも教員がとても働きやすい職場やと思います。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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それぞれの仕事

Posted on: 2016年6月24日(金) 4:55

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先日のチームキムタツ関西支部勉強会で先生方に申し上げたこと。

われわれ教員の仕事は生徒たちの力を伸ばしてあげて、あぁ明日も
この学校に来て勉強したいと思わせること。

管理職の仕事は教員を管理することではなく、先生方があぁ明日も
この学校で働きたいと思わせること。

ついでに言うなれば、生徒の仕事は、先生方のサポートを受けながら
自分の力を伸ばして誰かの役に立つ人間になろうと努力すること。

保護者の仕事は余計な口出しをせず、子どもたちの成長を見守ること。

僕はそう思っています。

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました。
教員と生徒と管理職と保護者が自分の仕事を正しく行えば
学校の進学実績は上がります。どこかが狂うとダメです。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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東大が首位から7位に転落

Posted on: 2016年6月22日(水) 5:20

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東京大学のアジアでのランキングが昨年までの首位から7位へと
転落しました。イギリスのTHEの調査です。

最大の原因は学生と教員の国際性の低さ。

特に留学生の少なさです。

以前、ノーベル化学賞を受賞した野依先生の講演を聞いていた時、
「海外から日本の大学に入りたいという学生が少なすぎる。」
という話をされていました。

さらに「海外から日本の大学に入学した学生がノーベル賞を獲得す
るようになってはじめて、日本の大学教育が評価される」と仰って、
確かにそうやなぁと思いました。

日本人でハーバード大学やマサチューセッツ工科大学に進む生徒
はいるんでしょうが、優秀なアメリカ人やイギリス人が東京大学に
入学したいというのはあまり聞かないですからねぇ。

世界大学ランキングがガタ落ちしたのに加えて、アジアでも首位から
陥落してしまいました。とっても残念です。

記事はこちらです。どうぞお読みください。

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました!
ちょっとした改革ぐらいではどうも変わらないでしょう。
文部科学省に期待しています。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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アクティブラーニングセミナー in Osaka

Posted on: 2016年6月19日(日) 21:55

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昨日は大阪でチームキムタツの勉強会がありまして、50人強の方が
ご参加くださいました。山口県、鳥取県、埼玉県など、遠方の学校の
先生方もご参加になり、大いに盛り上がりました。

最初は建国中・高の高美佐先生による関係代名詞の授業を全員で
受講し、その後に分析会を行いました。

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高先生はパワーポイントを使って文字を動かしながら、わかりやすく
関係代名詞の解説を行っておられました。

終わってからの分析会では「こういう場合はどうするか」といった視点
で何名かの先生方からご質問がありました。

僕も少し意見を述べさせていただきました。

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その後は僕からアクティブラーニングをテーマにした授業ってこんな
感じになるのではないでしょうかという切り口で、2時間のセミナーを
開かせていただきました。

アクティブラーニング、誤解があるといけないのですが、簡単に言う
ならば生徒たちが主体的に勉強をすることを言います。

授業の型ではありません。

アクティブラーニング型の授業というものはありません。

そうすると生徒たちが家庭学習をどういうふうに行うのかということを
念頭に置いた授業の方法を考えねばなりません。

ペアワークをしても意味がありません。家庭に帰るとペアを組むため
に必要なバディは(家族以外は)いません。

生徒たちが家に帰ってから勉強する指針となるような授業とでも言う
のでしょうか、そういうものを提言させていただきました。

多くの方々からお礼のメールを頂きましたので、また明日以降に返事
を書いていこうと思っています。こちらこそありがとうございました。

これからもこういう形で無料のセミナーを開催していきます。

よかったらご参加くださいね。

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました!
懇親会もいつもどおり、大いに盛り上がりました。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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We Need 6 Skills.

Posted on: 2016年6月17日(金) 10:54

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最近の英語教育は「4技能」がキーワードになっているのはご存知
のとおりです。ちなみに現在の英語教育で特に重視されているのは
4技能のうちのスピーキングの技能です。

でも読み書きもできない人が話せないのは言うまでもないでしょう。

だからスピーキングの授業を増やすのは良いとは思いますが、まず
基礎段階、特に生徒たちの英語のレベルがまだ低い場合には
読むことを通じて、どれだけ多くの知識を身に付けるかでしょうね。

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ただ、自分の生徒たちやチームキムタツの先生方の授業を拝見して
いて強く思うことは、本当にたった4つの技能でいいの?ということ。

文部科学省の人たちと話をしたときも「4技能」とか「英語を通じて」を
キーワードにした英語教育をしたいと明言されていましたけれども
英語の授業を通じて4技能を身に付けたとしても、経済産業省が
文部科学省に要請しているグローバル経済人材は育たないです。

読んだり聞いたりすることで情報を得る。

それをもとにして考える。

書く。話す。

自分の考えを伝える。

これらが世界レベルでできるグローバル経済人材を育てたいんです。
文部科学省は。文科省の方々、そうですよね?

英語教育まで経済第一でいいのかという議論があちこちのアカデミア
で行われているのはひとまず置いておくとして。

4技能では足りないでしょう。

読む・聞く・考える・書く・話す・伝える。

この6つの力が備わっていないと、単に日常会話が聞き取れて簡単な
ことを英語で話せるレベルの英語力では意味がありません。

セミナーの講師をする人でも、ぼそぼそと喋ったり誰かの悪口を言って
笑わせたりするような先生がいらっしゃいます。

そういう人の話は残念ですが、いくら優秀な方でも伝わりません。

4技能ではなく、考える力と伝える力を加えた6技能を身に付けられる
ように留意して、僕は授業を行っているつもりです。

4 skillsでは足りないと思います。

最低でも考える力と伝える力を含めた6つを備えていないと、世界に
通用するような人材は育たないのではないでしょうか。

 

今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました。
教員に考える力・伝える力がない場合には生徒にもそれらの力は
身に付かないので、まずは教員が勉強しないとあきません。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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