KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

カテゴリー別アーカイブ: 勉強・受験

kimutatsu

後悔しないために

Posted on: 2012年1月24日(火) 22:19

  

 

 

 

 

 

 

 

 

上のボロボロの『ユメタン』は決してゴミ箱から拾ってきたわけではありません。
広島の黒瀬先生から送られてきた画像です。

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お忙しいところ失礼かと思いましたが、先生に是非見ていただきたいもの
がありメールさせてもらいました。
添付の写真は、古書ではなく現役の『ユメタン』です。うちのある生徒が
9か月肌身離さず携えていた「なれの果て」です。
「キムタツこと木村達哉先生ご執筆」などと、もう原形をとどめていませんね。

彼の手に渡ったこの『ユメタン君』も、ここまで使ってもらえると本望だろうと思い、
私から新しいユメタンをプレゼントしようと申し出ましたら、彼は少し考えた後、
「いや、やっぱり愛着があるのでこれを使い続けます」とキッパリ。

もう英語道を共に行く「同志」なのですね。

2年後の受験当日、彼がこの『ユメタン1君』と、同じようにボロボロになった
『ユメタン2君』とを鞄に入れ、ここまで辿ってきた道を振り返りながら、
心の中で「よし!」と気合を入れて会場に向かう。

そんな姿を思い浮かべたらちょっと胸が熱くなり、先生にお知らせしたくなって
しまいました。

新刊の『ユメブン』も、きっとこんなふうに多くの生徒の「同志」になっていくんで
しょうね(拝見しました。噂どおりのタフさですね)。

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黒瀬先生、メールを頂戴したのが年末なのにブログにアップするのが遅れまして
非常に失礼いたしました。タイミングを考えておりました。

センター試験が終わった後の入試前に使おうと思っておりました。

ここまでやってダメなら納得がいくというぐらいまで頑張ることって大事ですよね。
悔いを残さないというのはこういうことなんだなと思いました。

と同時に、僕の子どもをこんなにもかわいがってくださる黒瀬先生の生徒さんに
胸が熱くなりました。ありがとうの言葉を何度言っても足りません。

本を大事にするということも含め、敬意を表したい。

2年後の入試で全力を発揮して、合格切符を手にされますこと祈念しています。

おかげさまで『ユメタン』は1年に10万人の方々に使って頂いております。
しかし著者の願いとしては、使うだけではダメで、やはり単語力アップ、そして
CDを効果的に使って頂き、リスニングやスピーキングに強くなってほしい。

目で単語を見て入試のためだけに勉強するのではなく、使える英語力を涵養
してもらいたいなと願っています。

黒瀬先生、そして生徒さん、ありがとうございました。
この『ユメタン』の画像が多くの受験生の励みになりますことを祈っております。

ここまでやってダメだったらしょうがないと言えるぐらいまで、頑張ってみようぜ。

 
今日もブログを覗いてくださいまして、ありがとうございました。
今日は神戸にも雪が舞っておりました。寒いですねぇ。

 


kimutatsu

主体的学習こそ伸びる!

Posted on: 2012年1月21日(土) 10:52

 

 

 

 

 

 

 

 

 
中学入試も終わり、ようやく学校も普通の授業ができるようになって落ち着きま
した。来週からはまともに授業ができます。高校入試までは。

中学入試、合格した人は安心してるでしょうが、入っただけでは意味ないからね。

志望校に合格した!やったぁ!

でも入ってから頑張れなくて、ヤル気を失ったというのでは、それなら他の学校
でのんびりやったほうがよかったねということになってしまいます。

どこの学校でもそうですが、入ってすぐに塾の申し込みをする人がいますが、こ
れはやめとくほうが・・・小学校と違って結構世話を見てくれますし、宿題だって
結構多いので、それをこなせないと付いていけません。

学校のことも塾のこともできる!という人なら問題ないけど。いきなりのダブル
スクールはきついものです。様子を見られてからのほうがよろし。

それから合格して真っ白な灰になる人がいますが、まずは読書あたりから始め
られて、普通の人間に戻ったほうがよろし。

受験があったので読書ができなかったという人が多すぎますが、その状態でい
きますと、大学受験はあまり大した結果にはなりません。

それから合格したからといってゲームなどにうつつをお抜かしになる人もいます
けれども、その習慣が4月にも続いていると止めたくても止められない病気にか
かってしまいます。

ゲームはタバコと同じなので、やめとくほうがよろし。

あと、学校の先生にたまにタメ口をきく人がいるのですが、この場合は親の教育
が失敗したんやなぁと先生方に話題にされるので、親に迷惑をかけたくなければ
敬語の使い方をちゃんとマスターされるがよろし。

それから入ってから掃除をさせると、ほうきをモップみたいにしか使えない生徒が
いらっしゃったり、雑巾の絞り方を知らないお人がいらっしゃったりしますけれども、
その場合も、親の育て方が間違ったんやなぁと話題になるので練習されるがよろし。

あと、野球部に入られるがよろし。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 
そういえば昨日メールが来ていました。先般こちらでご紹介いたしました岡山
白陵のS先生から。

お礼のメールの最後に・・・
 

この週末は英検がありますが,2級を自主的に
受けに行く者は,ユメタンを使って
授業の進度よりも先取りして勉強しています。
自立的学習者の育成に道筋をつけていただいて
ありがとうございました。
 

とありました。これって大事なことですね。先日、我が家に英検協会の方がい
らっしゃって、いろいろ喋ってたんですけどね。

英検で何級取るってのは、たいして意味がないと思うんですね。

1級とってもTOEIC満点でも、英語を使えなかったら意味ないですからねぇ。

みんな1級取ったりする人ってめちゃくちゃ英語が喋れると思っていますけども
そんなことはないのです。むしろそこが目標になってはいかんのです。

でもそれに向かって主体的に勉強するってことは、かなり素敵なことで、その点
で英検やGTEC、TOEICなどは小目標として役に立ちますね。

勉強ってのは主体的に行うもので、学校や親に尻を叩かれているうちは絶対!
伸びないものです。勉強しようと思ってる人が伸びるのです。

その点で、S先生の「自立的学習者の育成」というのは教育に携わる者にとって
キーワードになります。

だってねぇ・・・

宿題やれって言われないとしない人間。
勉強やれって言われないとしない人間。
掃除時間にならないと掃除しない人間。
校則守れと言われないと守らない人間。

こんな人間が社会のトップになれると思います? むしろ誰かに命令されなが
ら、誰かの後を付いていく人生が待っているのです。

そうじゃなくってね。

自分でやりたい勉強を見つけて、どんどん勉強する人間こそが伸びるのですな。
まして第三者に「ヤル気が出ません」なんて相談してるようじゃ、お先真っ暗。

ヤル気がないなら寝ておけばいい。ヤル気のある人間だけで楽しくやるぜ。

来週ぐらいから「英検1級プロジェクト」を発足させようと思っているのですが、せ
っかくなのでTOEICも受けてもらおうかなと思っています。

高1の生徒たちが主体的に勉強し、自分の英語力をガンガンに上げてくれれば
いいなと願っています。僕はスキルを伝授し、彼らと一緒に勉強します。

勉強は主体的、自主的だからこそ伸びるのです。教員はサポーターであり、また
時としてコーチでありスーパーバイザーなのです。

虎の穴の鬼コーチになってしまうとある程度までしか伸びないのです。生徒たち
が主体的に何でもやりたいなと思ってくれるように、僕も考えて動きます。

 
今日も僕のブログにおこしくださいましてありがとうございました。
センター試験前後は1日2万アクセスぐらいありましたけれども、
そちらもようやく落ち着いてきました。

 


kimutatsu

本番に強くなろうぜ

Posted on: 2012年1月14日(土) 0:28

 

 

 

 

 

 

 

 

(東京大学安田講堂です)

いよいよセンター試験ですね。受験生の皆さんは力を100%発揮して下さい。
それから関西では中学入試ですね。これまた頑張って下さい。

大人になるとわかることですが、力のある人が勝つとは限りません。

いくら力があっても本番で弱い人は勝てません。

やることがあるとします。100やることがあるのに自分は70%しか完成しなか
ったとすると、残りの30%が気になって仕方ないものです。

でももし負けるとしても、その30%が原因ではないんですよね。

持っている70%の力をフルに発揮できれば勝てたかもしれないのに、不足して
いる30%が気になって、持っている70%の力を発揮できなかったのです。

100%準備ができた人が60%の力しか発揮できなかったとします。本番って、
誰でも緊張しますし、頑張った人ほど前夜は眠れない。

だからせっかく100やることを全てやり切ったのに、60の力しか出せなかった。

逆に70の力しか持っていなかった人が、その70の力をフルに出せたとします。
そうすると合格できるのです。試合にも勝てるのです。

最後まで終わらなかったとしても、精一杯やったのであれば、あなたは神様に
守られているのです。堂々と受験会場に向かって、胸を張って堂々と自分の思
う答えを書けばいい。

堂々と。

大丈夫。強気で参りましょう!頑張ってきてください。勝とうなんて思う必要はま
ったくありません。それより「力を出し尽くそう」と考えましょう。

勝ち負けは神様に任せましょう。人事を尽くすことのみに集中しましょう。

頑張ってきてください。

もう一度書きます。力がある人が勝つのではありません。本番で力を発揮でき
る人が勝つのです。本番に強くなるためには、堂々としていることです。

  
今日も僕のブログに来てくださってありがとうございました。
2月4日の札幌セミナーの申し込みはこちらからお願いいたします。

 
 


kimutatsu

英語力を上げるのは難しいけど

Posted on: 2011年9月14日(水) 22:47

 

 

 

 

 

 

 
先日紹介させていただいた徳島県立徳島北高等学校の生徒諸君が作ったという
『ユメタン』ベースのTシャツが送られてきました。おぉ!これええやん!

和泉先生の手紙に「パジャマとしてお使い下さい」とあるけど、僕は赤が好きやで、
ちゃんと着させていただきます。パジャマには勿体ない。

今日ある先生と話をしていて「英語力って過去問とかやってるだけでは上がらんで
すな」と仰ったので「そうですね」と返事。

「先生はどうやってるの?」とお聞きになったので、包み隠さずに説明した。

「あぁ、鬼やなぁ。でもそれぐらいやらないと上がらんわなぁ」と。

基礎を鉄板にして、そのうえで人が考えられないぐらいに数を解く・・・が基本です。
ただし単に数を解いてもダメですねん。

そのあたりのコツこそ教員の力なんやけど、生徒の力に合ったものを与え続けてお
いて、そろそろかなと思った頃に今までより少しだけレベルが上のを与える。

それができたかどうかをしっかりと分析(ここ大事)した上で、またしばらくは、そのレ
ベルのものを与え続けて、もうできるかなと思ったら、またステップアップ。

この繰り返しですね。

例えばレベル1を1冊だけやって、次にレベル2を1冊やって、次にレベル3を1冊やっ
て・・・というのではなかなか上がらない。

レベル1を数冊やって、次にレベル2を数冊、次にレベル3を数冊という感じですねぇ。

ただし例えばレベル1を数冊やったあとに適当にレベル2を与えるのではなく、レベル
1ができてるのかどうかをちゃんと分析しないとあかんのです。

教員の力ってそこの見極め力こそが命です。

現在は高1を教えていますが、もう入試演習に入ってるのです。でも入試演習とは言
いながら、入試を使ってるわけではないのです。そこがミソです。

ま、なんにせよ頑張るのは生徒たち自身なので、僕は彼らのスーパーサポーターとし
て精一杯縁の下から支えようと思っております。

 


kimutatsu

今はまだ基礎力涵養期なり

Posted on: 2011年5月21日(土) 9:19

 

 

 

 

 

 

授業見学にいらっしゃる他校の先生が先週からまた増えてきた。今年度に入
り、リスニング中心の授業をしているのだが、見学にこられる多くの先生方の
参考になれば大変嬉しく思う。

今週いらっしゃった先生の前では大意要約の・・・というか、そもそも「読む」と
いうのはどのように行うのかという授業をした。

今はまだ高1なので教科書を使ってやったのだが、入試を解く際に、下手な人
は構文を取りながらじっくりじっくり読んでしまう。

ところが実際に「読む」という作業をする際に必要なのは「正確さ」と「速度」で、
その両方が備わってないと求められたことに応えることができないのだ。

僕が思ってる以上に生徒たちの「読む力」はアップしているようで安心したが、
今はまだ単語の力が『ユメタン』①程度なので、入試問題を使うのは早い。

もちろん「できる」生徒なら読めるのは間違いないが、それは授業ではない。
一部の生徒たちのための授業はできないし、「今はまだできない」生徒たちも
見捨てることなく、いい方向に導いてやりたい。

今週やった読解の授業では、1200語程度の超長文を使った。この長さの長
文は東大の第5問より長く、慶應の文学部あたりの長さに匹敵する。

結論から言えば、最も速かった生徒で5分程度で読み終わった。

これには何もコツがあるわけではなく(実はあるにはあるが)、彼らが中1の頃
から延々と音読と暗唱を繰り返した結果の、まさに地力と言えよう。

来年からいよいよ入試問題を使った授業になるが、平均的な生徒であっても、
早い時期に「できる」ようになる。生徒たちには頑張ってほしいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば文化祭に来た東大生たちが「キムタツ先生、東大に入ったらみんな
キムタツって固有名詞知ってますよ!」と言ってた。

「俺の悪口で盛り上がれよ」と言っておいたが、仮に悪口であっても頑張って希
望する大学に入った生徒が、入学以後も担任や部顧問の話題で盛り上がって
くれるのは嬉しいものだ。

そういえば今教えている高1と言えば、開成もラサールも『ユメタン』を採用して
くださっているそうな。

ということはつまり、3年後の東大新入生の多くが『ユメタン』ユーザーというこ
とになるのかもしれぬ。考えただけでもワクワクするなぁ。

しかし開成やラサールの生徒たちが合格しているのに灘はさっぱりでしたなぁ
ということにならないように、僕はまたこれからも彼らの力を伸ばしてやろう。

まだ入試演習などは行わない。こんな時期にやっても何の意味もない。単に入
試が解けるだけの学習者を作っても無駄だ。

単語や文法やリスニングの基礎力をじっくりと付けながら、少しずつ飛べるハー
ドルの高さを上げてやって、気が付いたらえらい高いのが飛べるようになってた
という状況に持っていってやろうと考えている。

そして彼らが大学に入ってから、涵養した英語力を使って世界に飛び出してく
れればいいなと願っているのである。

 


kimutatsu

基礎を大切にしてユメを叶えよう!

Posted on: 2011年4月11日(月) 21:01

 

 

 

 

 

 

主将のお父さんから合宿の写真が送られてきました。いまだに合宿の影響
が選手たちの体に、すなわち投手の肩が痛いとか、野手の太腿が痛いとか
いう形で、及んでおります。

ま、要するに平素からの鍛え方が足りんということだ。

 

 

 

 

 

 

土煙の中を変な格好をして歩いているのは灘の生徒たちですが、こうやって
足腰を鍛えるわけです。単に走るだけでは飽きるので。

基礎トレってのは何よりも大事で、強いチームってのは早い話、キャッチボー
ルが上手いんですな。まじで。

うちはキャッチボールのミスが多すぎるんです。いわゆる「送球ミス」です。

何ごともそうですが、そういう基礎トレこそ大事なのに、まぁ90%ぐらいできる
ようになればいいかと考えがちです。

基礎的なことは100%できるようになることです。そうすれば試合や試験では
ミスしても80%ぐらいの力は出せます。

基礎トレーニングで90%だったら試合や試験では60~70%ぐらいの力しか
出せず、つまり30~40%ぐらいのミスをすることになりますねん。

当日の緊張感とかがミスの原因となるんでしょうけど。

 

 

 

 

 

 

その点で90%で満足する指導者に習っている生徒と、100%でないと許し
てくれない指導者に習っている生徒とでは差が出るのは当然です。

生徒にもよるんですけど、本当に上のレベルで勝とうと思ったら、少なくとも
基礎に関しては100%を目指さないとあきませんわ。

生徒や選手は90%でも「まぁだいたいこんなもんでええかな」と思うもんです
けれども、指導するサイドこそ「悪魔」だの「鬼畜」だの言われても、こだわりを
持って生徒たちに臨むべきではないかなと思っています。

あくまでも上のレベルを狙うなら、ですけど。

 

 

 

 

 

 

 
今日から授業が始まりました。今年の目標は「リスニング力を伸ばすこと」だと
生徒たちに言いました。その理由も説明しました。

リスニング力を伸ばす学習をちゃんとしていたら、リーディングやライティングや
スピーキング力をも伸ばせますねん。高1終了時点で進研で55ぐらいもあれば
東大を含めた難関大学は普通に狙える。

60もあれば東大や一橋大や京大は余裕で狙える。

高1終了時でも、あと2年もあるんやから。

方法は大事ですが、それより大事なのは「基礎こそ100%」という姿勢だと僕
は確信しています。僕はリスニングが苦手だったからこそ確信を持って言える。

だから今年は今まで以上に「悪魔」であり「鬼畜」であろうと思っています。

東大に合格するぐらいはそれほど難しくはないけど、さらにその上のレベルを
生徒たちに見せてやりたいと思っているのです。

武器は・・・

1.『ユメタン』②まで。ただし条件はCDを使って覚えること。
2.『デュアルスコープ』と文法の教科書
3.リスニング用のテキストと英文解釈用テキスト
4.英語の検定教科書

これだけあれば十分です。高2の終わりまでに受験英語に関してはだいたい
終わろうと思っています。今年、リスニングを高められたら、彼らの受験におけ
る英語での成功は確実になるやろうな。

で、高3では受験のことはもちろんやりますが、それにプラスして実践的英語
力をも付けてあげたいなと思っています。

というわけで、生徒たち、頑張りたまえ。今まで英語があかんかった生徒たち、
心配せずに、私を信じて単語と文法とリスニングをひたすらやりなされ。

 


kimutatsu

2011年度東大入試プチ分析

Posted on: 2011年2月27日(日) 9:49

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日から大会が始まり、昼過ぎに終わりまして、その後、橋本恭先生と電話
で喋った後に帰宅。夜は八私学野球25周年のパーティーが宝塚Hであって、
帰宅後花粉症に負けて爆睡。

また書きますが、昨日の1回戦は2-1で勝ちましたので、2回戦に進出で、
今日の相手は神戸龍谷中学校です。第4試合。

第3試合は主審を務めねばならないので、腰をいたわらねばならぬ。重労働。

あ、それより朝から東大の入試を解いてみました。僕なりの分析をしてみます。
一部、予備校などの分析とは異なるかもしれないけど、灘の生徒たちを教えて
いる立場から、難化とか易化(いか:やさしくなることね)とかの分析をしてみた
いと思います。

*********************

大問1(A)3段落から成るパッセージを70~80字の日本語に要約する問題。
       オーソドックスだし、字数の与え方も適切。標準レベル。

大問1(B)パラグラフ整序の問題。今年は(B)と(C)に分かれたので語数は
       増えたけど、内容的にも難度的にも難しくないと思う。易化。

大問1(C)パッセージ中の不要な文や追加文の位置を答えさせる問題。面倒
       臭いのは面倒臭いけど、難しくはない。易化。

大問2(A)従来通りの設問だし、拙著『東大英語ライティング&グラマー』でも
       この手の問題はたくさん作った。これは易しいと思う。

大問2(B)いつも書いてるとおり自由英作文は得点源やけど、この問題に関し
       て言えば、文章の展開を考える力がないと高得点は貰えないかと。
       understandとpainを1回しか使えないとあるが、それなら言い換え
       をすればいいだけだ。内容が哲学的なので、やや難としよう。

大問3(A)実際の放送を聞いたわけではないのでなんとも言いがたいけれども
       スクリプトと問題を見る限りでは例年どおり。landscapeの概念につ
       いては面白いし、東大らしくていいな。

大問3(B)久々に(B)と(C)が連続したものになった。(B)は質問も英語になっ
       ているという点でやや難。だけど実際の講演を聞いてればわかるが、
       講義やプレゼンの最後に質問が為されるのが普通で、最初から印刷
       されている講義やプレゼンなんて存在しないわけで、その点では社会
       人にとっては設定は普通とも言える。ま、でも受験生にはやや難。

大問3(C)今年からディクテーションがなくなったんやね。正直そのほうがいいわ。
       だってディクテーションができるかどうかを問うのもどうかと思う。大事
       なスキルなのでディクテーション自体は否定しないけど、それより大事
       なことは、細部が聞きとれなかったとしても、全体を聞いてちゃんと相手
       の言っていることが理解できる能力なんやから。標準レベル。

大問4(A)誤文訂正問題。かなり簡単。連続した2語を書かねばならないってこと
       はつまり、正解は文中に同じ語が2つ以上あって、そのうちのどれかを
       確定させねばならないってことですな。(2)のareがそれにあたる。

大問4(B)英語を日本語に翻訳する問題。構造的にも内容的にも標準レベル。

大問5   小説の読書の問題。個人的に小説は大好きなので、東大の問題にし
       てはエライ簡単やなと思いながら読んだけど、読書慣れしてなかったら
       そうでもないのでしょうか。ま、でも個人的分析なので易化としておく。

**********************

 

 

 

 

 

 

 

 

 
と、ここまでだいたい易化と標準を並べたけど、それはあくまでも各設問を個別
に見た場合の分析なのです。全体としては難化したと思う。

つまり何を言いたいかと言うと、やはり1つ1つをじっくり考えて解いてはいられ
ないわけで、情報処理速度の遅い人は合格できないシステムになってる。

YAHOO知恵袋のカンニングがあった京大に比べると、頭のキレみたいなもの
が求められるし、だから官僚養成大学なんていわれることもあるのかもしれぬ。

高校生にはちょっと問題数が多すぎるのではないかと、個人的には思う。

それと進学校の教員なら誰でも知ってることではあると思うが、老婆心ながら。
東大に入った教え子が、東大にはやたら帰国子女がいるって言ってたけれど、
きっと大問3のリスニングで点が取れればかなり有利ってことになろう。

昨年度あたりから『東大英語リスニングBASIC』を、進学校で採用するところ
が増えているが、先生方はわかってるってことだ。

センター試験リスニングに比べて速度は速くはないが、長い時間英語を聞い
ていられる、それでいて普通に「人の言うことが理解できる」人を求めている
ってことになろう。だから講義やプレゼンのような問題が出題される。

それから得点源の大問1(A)、大問2、大問4あたりで落とさないことも大事。
大問4(A)や(B)などは読書した文章をちゃんと復習すること。特に大問4の
誤文訂正は文法力が問われてるのではなく、やはり読解力が問われてる。

復習の仕方やそもそもの読み方、速読の方法については、『速読特訓ゼミ』
に詳しく書いたので割愛します。構造分析する読み方では東大は合格しない。

来年度以降に東大を受験する人たちの参考になれば。

    

 


kimutatsu

センター試験英語についてですが・・・

Posted on: 2011年1月22日(土) 18:08

 

 

 

 

 

 

 
誕生日が近づいてきました。29日(土)にGTECを受検するのですが、47
歳になる。VIVA、中年おやじ。VIVA、遠近両用眼鏡。

あぁ、しかし年を取るというのは悲しいことだ。新陳代謝が悪くて、昨日なん
か学校から西宮北口まで10キロほど歩き、そこからさらに甲子園まで歩い
たってのに、つまり合計15キロほど歩いたのに、まったく体重が落ちん。

体重計に乗ってじっと数字を見る・・・にっこり微笑む・・・痩せて・・・痩せて
るはず・・・ひとり微笑む・・・痩せてないじゃあん♪

ま、健康ならいいや。

今日はセンター試験の英語についてちょっと書きます。

暇に任せて(否、決して暇ではないが)センター試験の英語の問題を解いて
みました。満点でよかった。石崎君に勝てた(笑)。

でも正直、不満がある。

今年のセンター試験をお作りになった先生方はもしかすると音声に関しては
ちょっと知識がない方々なのではないかと思わざるを得ない。

少しでも音声に関する知識があれば、問題1A問2なんて酷い出題はせん
やろう。アクセントのある位置の発音とそうでない位置の発音を比べるか?

それから同じく問題1のBもレベルが低い。これは酷い。

第1アクセントの位置が他の3つと違う単語を選べって・・・それを選らばせ
るんだったら、音節を切ってないと問題にならないよ?

だって音節の位置って、辞書によっては異なったりしてる。音節の場所につ
いては諸説あるのに、音節を区切らないで設問にするのは問題だ。

だいたいネイティブが音節を意識して喋ってるかなぁ。作問する前の段階で
ちょっとダメダメな問題やなぁ。

僕もいろんな模試を作成してきたけど、それと同様にマーク模試なんかを予
備校なんかで作問してる人たちの意見を聞きたい。

あるいは音声を専門的に研究してる人たちにも意見を聞きたい。今年度の
センター試験の第1問に関しては、議論していいレベルの低さだと思う。

それから読解でも、選択肢の作り方が下手なので、問題を読まなくっても
選択肢を見れば正解を導き出せる(プロから見ればやけど)ものもある。

おそらく来年度の各社模試はこのセンター試験を基にして作られるんやろ。
ってことは多少の差こそあれ、第1問はあの作りになるってことやな。

うーむ・・・

多少なりとも音声のことを知っていれば、今年のセンター試験みたいな作り
方にはならないと思うし、さすがに予備校の先生もわかってると信じたい。

各社の担当者でこのブログをお読みの方々、よろしくお願いします。

 


kimutatsu

速報!センター試験平均予想(中間発表)

Posted on: 2011年1月18日(火) 19:25

 

 

 

 

 

 

センター試験の中間集計が出たようですので、書いておきましょうね。
詳しくはこちらです。ベネッセ・駿台によるデータです。

*******************

国語 111
数Ⅰ  66
数Ⅱ  53
英語 123
リス  25
世B  62
日B  64
地B  66
倫理  70
政経  59
現社  62
物Ⅰ  64
化Ⅰ  57
生Ⅰ  63
地Ⅰ  64

文系6教科7科目 572点(昨年度551点)
理系6教科7科目 574点(昨年度547点)

*******************

まだ中間集計結果なのですが、だいたいこんな感じになるんでしょう。
速報でした。

 


kimutatsu

莫妄想

Posted on: 2011年1月17日(月) 17:36

  

 

 

 

 

 

   
先日の高校サッカー全国大会で準優勝に輝いた京都府立久御山高等学校
の生徒たちです。改めまして、準優勝おめでとう!

それとH先生にお聞きしているけど、『ユメタン』もかなり頑張ってるらしいね。
素晴らしい。文武両道と簡単に言うが、まさに「行うは難し」やと思います。

全員が1回で合格するというのは、うちの生徒たちでもほとんどありません。
これからも頑張ってください。写真を送ってくださって、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

  
さて、センター試験が終わりました。うちの生徒たちも午後から登校し、自己採
点の結果をPCに入力しては帰っていきました。お疲れさまでした。

英語だけ担当の先生に教えてもらったのですが、平均点はだいたい180点と
いうことですから、高3生は頑張ったんやなと思っています。

野球部の生徒たち何人かに聞きましたが、できた人もいればそうでない人もい
るのは当然で、ただ「こけた」と言ってる人も表情が明るかったので良しとしよう。

次は40日ほどあきますが、いよいよ2月25日26日に入試本番があります。

センターの持ち点が高い人は安心せず、低い人は逆転を信じて頑張るしかない。
以前の卒業生(現在は東大生)がこういうことを言っていました。

 

東大模試のA判定って、最後まで必死に闘ったら合格するでっていう意味やった
んですね。前期で落ちた時に目が覚めました。

 

彼は秋の東大模試でいずれもA判定で、センター試験も90%以上をクリアしてい
たので、前期合格は確実だと思われていました。

本人はセンター試験の後にグラウンドに来ては、後輩たちにノック等していました。
我々も「気分転換になるならいいかな」と油断していたかもしれません。

ところが不合格!

後期で合格したのですが、報告に来てくれた際に、僕に「後輩に伝えてほしい」と
残してくれたのが上の言葉でした。

良かった人は安心せずに頑張る。悪かった人は逆転すべく頑張る。

いずれも済んでしまったことは忘れて、今できることに全力を尽くす!ということに
結局は変わりないということですね。

今日のブログのタイトルは莫妄想です。これ、禅の言葉でしてね。「まくもうぞう」
と読みます。

肉体や心の欲望、未来への不安、過去への執着など、我々の心を曇らせる最大
の原因が妄想であり、そんなことは考えずに今できることを一所懸命にやろうぜと
いう意味で、唐代の無業禅師は「莫妄想」と唱えたということです。

受験生も、今こそこの「莫妄想」の姿勢で入学試験本番に向かいましょうね。

 


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