KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

日別アーカイブ: 2010年11月9日

kimutatsu

大学入試の先を見据えて

Posted on: 2010年11月9日(火) 22:29

 

 

 

 

 

 

 

 

(旭屋書店天王寺MIO店さんです)

昨日は豊島岡女子学園中学校・高等学校の先生方が授業見学に来られ、
夜はそのまま晩御飯を一緒に食べにいきました。

熱く議論しました。

今の日本の教育がおかしいのは、「東大●人」とかいった、塾や予備校が
使う宣伝文句を、学校が率先して使っているところではないかと思うのです。

例えば僕は東大に生徒を送り込むために英語を教えてるわけではない。

そんなセコい英語教育はイヤだ。

世界に通用する人材にしたい。だから英語を聞いて話せる、もちろん読みも
書きもできる、そういう英語力を涵養したいと思ってる。

東大レベルの英語の問題ぐらいは軽く突破できる英語力を付けさせてやり、
それ以上のことを高校英語教育のゴールとしたい。

そういう僕だって雑誌のインタビューとか書店の本のPOPなどには「東大に
100名以上を送り込む云々」と書いてあったりする。
(誤解のないように書いておくが、自分でそんなことを書いたことはない。)

イヤでしょうがないが、「すでに大学名で勝負する時代ではない」と言われ
つつも、実はまだそういう時代なのだということの証ではないか。

豊島岡女子学園中・高の先生方とそういう話で盛り上がった。

セミナーでもいつも申し上げるが、東大や京大の実績を出すぐらいならば、
それほど難しいことではないと断言できる。

だけど大学の先生に「この学校の卒業生は大学に入ることを目標にしてる
から、入学後は伸びたパンツのゴムみたいになる」と言わせたくない。

とすれば、やはりせめて英語の教員は「大学入試のための英語」だけでは
なくって、世界に通用する英語力、大学教育に耐えうる英語力を育てたい。

と、僕は常々思ってるのです。

だから単語集は絶対にCD付きではないとあかんし、CDをどう使えば効果
的に英語を聞いたり話したりできるようになるのかを生徒らに説明すべきだ。

英作文は決して部分点狙いなんていう英作文ではなく、相手に魂が伝わる
そういう文章を書くように指導すべきだ。

昨日いらっしゃった数学の先生は、自分で問題を解決する力を付けさせて
やりたいと仰っていた。そのとおりだと思う。

教育は一元的ではない。

しかし教員が方向性を誤ってしまうと、生徒たちや保護者までもが方向性
を誤ってしまうのは言うまでもない。学校の実績を上げるために、たとえば
医学部に入りたいと言っている生徒たちを無理矢理進路変更させるという
ようなことは絶対にしてはならない。

東大に入りたいなら入りたいでいいし、生徒たちが入りたいと言うならば、
東大に入るぐらいの英語力はいくらでも付けさせてやれる。

でも教える側はその向こう側をいつも見据えておくことが大事だ。

生徒たちは将来の日本の、否、世界の人的資源なのだ。

学校の都合に合わせて彼らの方向性を決定するようなことはしてはならぬ。

 

 

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 教育全般  

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