先日のセミナーで茂木先生が「TOEIC満点とか言って自慢してる人が
いるけど、それ自体にはあまり意味がない」とおっしゃいました。
自分は2回しか受けたことがなくて、1回目は惨憺たる数字で、これは
コツが必要やなと思っていたら2回目は簡単に900点を超えました。
昨日、角川書店の原さんと話をしていたときに、800点や900点って
言ったってこの程度かという思いでいますとおっしゃいました。
もちろん原さんも勉強を頑張られたんだろうけど、実際に点数を取って
みたら、900点ホルダーと言ってもそれほど話せないぞという感覚に
襲われることになるのは間違いないと思うんです。
むしろそこがスタートラインじゃないかなぁと。
TOEICの点数が900点を超えているという生徒たちがいます。
彼らの多くはだいたい英語を話せます。平均以上には話せます。
きっと東大にも余裕で合格することでしょう。
授業中にやっている東大の問題にも簡単に答えることができます。
彼らの予備校主催の模試の偏差値はだいたい60~65ぐらいです。
東大模試ではなく、普通の全国模試です。
英語力ってのは数字では表せないですね。
英検1級でもTOEIC満点でも、ちゃんと喋れなければ全く意味がない。
喋るためには英語力だけが高くてもダメで、コンテンツが必要です。
英語が話せる人に「戦後の日本経済の成長と昨今の不況について話
をしてください」と依頼をしたとしてですね。
英語は使えますが、経済については喋れませんということになるかもし
れません。
では何なら喋ることができるのかということになる。
映画を字幕なしで見ることができるとしても、何も話せなかったらその英
語力は誰のこともハッピーにしてやれない英語力です。
山中先生のノーベル賞受賞に際し、結局は英語なんてツールなんだな
と痛感すると同時に、物理や化学、歴史や文学などについて、英語を使
って説明することのできる力を涵養しようとすることが重要だと再確認さ
せられました。
皆さんは英語が話せますか。
話せるとすれば、何についてなら話すことができるのでしょうか。
自己紹介や自分のプロフィール、雑談レベルなら少し勉強すれば誰で
も話すことができます。
問題は自分が得意とするコンテンツです。
僕は英語が話せます。だけどコンテンツがありません。僕自身の問題
は英語力ではなく、むしろコンテンツのほうです。
その点で僕より生徒たちのほうが英語力があると言えるかもしれませ
ん。だって僕は物理や化学、生物を知りません。
したがって国際物理オリンピックや生物オリンピックなどで英語を話す
ことができません。
オールイングリッシュでセミナーをすることならできそうです。でもそれ
では日本人相手に日本人が英語を話す不自然さがついてまわります。
そういうオールイングリッシュって不毛だと考えています。
もっと英語以外のことを勉強しないとダメですね。本当にそう思います。
そしてそれを英語を使って発表できるようになれば、そのときはじめて
「僕は英語が話せます」と言えるのかもしれません。
今日も僕のブログにおいでくださいましてありがとうございました。
『スティーブ・ジョブズ英語で味わう魂の名言』を楽しんでいます。