ご存知のとおり、旺文社の『蛍雪時代』でさまざまな人の言葉を紹介
させていただき、それについてコラムを書いています。
北海道にある高校の生徒のお母さんから、フェイスブックのメッセン
ジャーを使って1通のメッセージが送られてきました。
まだご本人の承諾を得ていないので、個人がわかる部分は削除して
ご紹介させていただきます。
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〇〇高校の保護者の◆◆と申します。突然のメッセージ、お許し
ください。『蛍雪時代』2月号の、先生の記事を読ませていただき
ました。現在、高3の息子が、先生の記事に心を動かされたと
教えてくれたのです。
まさかとは思いましたが、センターの結果がE判定。今まで見た
ことのない判定でした。
しかし息子は志望大学を変えることなく受験することを決めたそう
です。先生の言葉が、彼の背中を押してくれたのだと思います。
職員室に行っても、どの先生もセンター試験の点数を言うと、皆
顔をゆがめるそうです。それでも自分は〇〇大学を受験するの
だと豪語し、誰よりも職員室に通い質問し、二次試験に向けて
勉強しているところです。
もしかしたら、先生や同級生たちは、心の中で笑っているかもしれ
ない。でもそんなことはどうでもいい。今は落ちることは全く考えて
いないそうです。
「1日たりとも闘わなかった日などない」
彼は今、この気持ちで頑張っているようです。木村先生、ありがとう
ございます。たとえ良い結果にならなかったとしても、この経験は、
彼にとって生涯の宝になると思います。ひとことお礼を申し上げ
たくて、メッセージを送らせていただきました。
(中略)
お忙しいことと思いますので、どうぞお身体には気を付けて、多く
の生徒たちに力を与えてくださいね!
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この方の息子さんの選択は素晴らしいですね。ややもすると安全
志向になって、センター試験の点数に応じて、本当は行きたくない
大学に方向転換する受験生や担当の先生も多いと思います。
でも人生は1度っきりです。僕たちは必ず死にます。
死ぬ前になって「あそこに行きたかった」と思うのであれば、初心を
大切にすべきだし、大切にするのであれば努力すべきです。
この生徒の選択は、そりゃ具体的な点数を知っている先生方にとっ
ては無謀に映るかもしれないが、人生を考えれば、とても美しい。
逆転を信じて2月25日まで努力を続けてほしいと願っています。
Sさん、メッセージをありがとうございました!
彼だけではなくて、多くの受験生たちがセンター試験の点数を見て
一喜一憂しています。点数に応じた進路を勧めるのも教育でしょう
けれども、彼のような生き方もあるということを認識しておいた上で
本当に生きたいのであれば覚悟の上で進め!と言うのも教育だと
僕は思っています。
灘校の生徒たちはセンター試験の点数がどうであれ、ここまで頑張
ってきたのだからという理由で、ほとんどの生徒たちが第1志望に
出願します。教員はそれを温かく見守ります。
そしてD判定やE判定の生徒たちが合格してくるのを見ています。
人生はトライしなければ何も実現しないということを、生徒たちから
僕たち教員は毎年学んでいます。
今日もブログにおいで頂き、ありがとうございました。
仙台は寒いです。風邪気味なので気を付けます。