KIMUTATSU BLOG
木村達哉のブログ「キムタツブログ」

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九州と僕と「かけら」論

Posted on: 2009年11月16日(月) 21:51

Tahiti01

寒いですね。新型インフル+季節性インフル+風邪で、人類の生産的活動は
どうなってしまうんじゃろうと思いながら、うがいを趣味にしている木村です。

せめて写真ぐらいはと思い、タヒチの写真を使ってみました。

週末は博多におりました。それについては後ほど書きますが、博多ってのは
どうも僕にとってはすでに第2の故郷になっていて、落ち着くことこの上なし。

否、博多っていうよりむしろ九州かもしれん。

人情に厚くて酒の好きな九州の友達がどんどん増えていきます。

あの大陸的安定感を持つ九州の人々のMINDに、魅了されているのですよ。
自分でも驚くほど、九州に行くと気持ちが落ち着くのがわかるのです。

同僚の結婚式で、自分の生まれ故郷である奈良に帰ってきたのですけれども
懐かしい奈良盆地の風景に囲まれる自分のメンタリティと、博多の駅に降り立
った瞬間の自分のメンタリティが非常によく似ている。

講演旅行とか研修参加とか、要するに仕事で来ているはずなのに、今から仕
事をするぞというようなメンタリティではないのです。

福岡、佐賀、長崎、鹿児島、宮崎、熊本、大分・・・それぞれの県に「あそこへ
行けばあの人に会おう」と思える友達がいるのは幸せなことです。

大島君

最近思うのですが、人から直接的に「こうしたほうがいい」とアドバイスを受けて
すぐにそれをメモをする人はいいですね。とても素晴らしいと思います。

特に若い人の間でも、どんどんメモを取る習慣のある人が増えてきた気がする
のは、きっと彼らの親や先輩がちゃんと指導してるんだろうと思います。

この週末に博多でメモをいっぱい取っているB社松崎君を見て、この人、すごく
成長したなぁと感心しておりました。きっとどんどん伸びるだろうと思います。

かく言う僕の周囲にもメモ魔はたくさんいらっしゃいます。学年の若い先生方も
必ず誰かが何かを言うとメモを取る。若いのに大したもんやと感心しています。

メモを取るという行為には、備忘録的な要素があるのは言うまでもありません。

しかしそれだけではないのです。

誰か(何か)が残した「かけら」に気づくことができるようになるのです。

誰かがぽつんと語った一言。

誰かが少しだけついた溜息。

誰かがほんの少しとった表情。

誰かが少しだけ見せた思いやり。

そういった諸々の「かけら」に気づくことができるようになります。メモを取らない
人と取る人の差は、実はここにあるのではないかと思っています。

メモを取っている間にちょっとした間に起こる出来事を見逃してしまうんじゃな
いのかと思う人は、メモを取らない人です。

メモを取る人のほうがケアフルなのです。見ながら書き、聞きながら書き、書き
ながら見て、書きながら聞いて、そして上手い人はイラストまで書きます。

僕は今の灘の中2生たちが入学してきた最初のHRでこのように言いました。

「大人は必ずメモを持っています。君たちももう中1なんだから、必ずメモを持っ
て下さい。黒皮のメモ帳じゃなくてもいい。表紙に連絡帳と書かれたノートブック
でもいい。そしてとにかく何でもかんでもメモりなさい」、と。

そしてそれは大人になった証しでもあると。

「かけら」に気がつける人はとても強くて優しいものです。またその「かけら」に
こそ、成功のヒントが隠されているものなのです。

成功のヒントは自分で見つけるものです。どんな講演を聴いてもどんな本を読
んでも、直接的には誰も教えてくれるものではありません。

でもその人の話や本の文章の中には無数の「かけら」が落ちています。

その話や内容全体が直接的に役立たなくても、これは加工して使えるかもしれ
ないと思える「かけら」がたくさん散在しているのです。

同じテレビ番組を見ても、同じ本を読んでも、同じ話を聞いても、それに影響を
受けて感動し、自分の血肉にできる人とできない人がいます。

できなかった人は「つまらない」とか「わからない」とか「こんなの役立たない」と
か言います。もっと役立つのかと思ったと。 

違うのです。直接的には役立たないことが多いのですね。なぜなら経験も違う
し、それまで読んできた本だって出逢ってきた人だって違うのですから。

でもちょっとした断片がヒントになることがあります。それが「かけら」です。

その「かけら」はその時に「これはいいな」と思っても、すぐに忘れてしまう。
だから講演中や読書中もメモを取らねばなりません。もちろん本の場合には、
付箋を貼っておいて、後からメモ帳に転記しても構いません。

メモを取る習慣のある人は、そういう「かけら」に気づく達人になっていきます。
「かけら」に気づくことのできる自分の感性や価値観こそが大事なのです。

メモを取りましょう。僕はちなみにファミマで買った無印の小さいのを愛用して
いますが、手の平サイズでとても使いやすいです。お勧めです。

 

(追記)高知学芸高校で『ユメタン』をご採用いただきました。感謝しております。
     ありがとうございます。生徒さんたち、初心を忘れず頑張って下さい!

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 人生論  

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物を作るということ

Posted on: 2009年11月15日(日) 22:01

私の作品!

先週の金曜日に遠足があり、わが66回生は有馬富士公園に行ったあとに、
焼き物を作りに陶の里に行ってまいりました。上の画像は僕の作品です。

遠足で焼き物を作りにいくのは久々ですが、何度やっても難しいですね。

生徒たちもそれぞれのクリエイティビティを発揮して、楽しんでいたようです。

なににつけ、物作りというのは面白いものです。特に最近思うのは、こういう
形あるものを作ることの面白さと儚さですね。 

いつかは絶対に壊れてしまうのですが、それでも自分の頭の中にあるものを
具現化するために一所懸命に作ります。

それが世に残るものでなくても、ある種、自分の生きた証しとして作るのです。

本だっていつまでも残るものはほんの一部でしかありません。

江戸時代に作られたものだって、まだたかが数百年しか残っていないのです。
それを思えば「物を作る」という行為の面白さがわかるのではないかと。

儚いからといって作らなかったら何も始まらない。まさに「生きる」という行為そ
のものですね。「死ぬから」といって頑張らなかったら、何も始まりません。

1ヶ月後に届くであろう僕の小鉢に味噌か何かを入れて、そんなことを思いな
がら酒でも飲もうかと思っています。楽しみです。

 

(追記)ええ、これ、小鉢なんです。酒の肴を入れるための。
     見てくれは悪いですが、結構気に入っています。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 日記  

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英文法千本ノック!

Posted on: 2009年11月12日(木) 13:11

旭屋書店さん

旭屋書店甲子園ららぽーと店さんの様子です。あまり受験生は多くない書店
さんですが、それでもこうしてフェアをやってくださる。ありがたいものです。

毎日文法の小テストを行っています。10点満点。今週は仮定法でした。

5回やったので、今週の満点は50点です。ガイドラインに達しなかった生徒
については来週に仮定法の補習と追試が待っております。

補習といっても解説は少しにして、多くの文を音読し、暗唱してもらいます。
仮定法の典型的な文を30~50文も暗唱すれば、身につくやろう。

暗唱できれば帰宅できます。できなかったら、ひたすら帰れません。

最終下校時刻までに覚えられなかったら翌日も残ってもらいます。

そのうえで追試を行い、不合格者にはまたまた音読→暗唱が待っています。

頑張ってもらいましょう。今週は助動詞が終わったので、授業中には助動詞
の小テストを行いながら、来週の授業解説は受動態へ進みます。

単語のほうはどうかな。まだ単語力がついてないなら『ユメタン』ゼロからの
スタートになるかもしれません。臨機応変にやっていきたいと思います。

とりあえず生徒たち、ついてきなされ。ちょっとハードやけどね。

 

(追記)家で暗唱してこいと言うとやってこないので、授業中と補習枠で
     音読と暗唱を、つまり僕の目の前でひたすらやらせるのです。

 


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和歌山からのメールとご来訪と

Posted on: 2009年11月12日(木) 10:00

三原先生

昨日は近畿地方、特に大阪南部や和歌山のほうでひどい雨が降りまして、
和歌山の学校は軒並み臨時休校になったそうですね。

近大附属和歌山高の三原先生から「自宅の駐車場に置いていた物がいく
つか流されて行方不明なので、長靴はいて町中彷徨います」とメールが。

そこに添付されていたのが上の写真。

なんかそれほど大変でもなさそう・・・というか、どうも楽しんでる節がある。
ドランカー三原君、月末の教師塾では授業を頑張ってください。

夜は飲みましょう。

三原先生はともかくとして、大変な目に遭った人もいらっしゃると思います。
お見舞い申し上げます。後片付けが大変でしょう。お疲れの出ませんように。

昨日はチャートの方々がオフィスにご来訪。数時間の会議で方向性が固ま
りました。企画段階は楽しいですね。実際に書くのは大変やけど。

今日はアルクの編集長(お地蔵さん=田島君)が東京からいらっしゃる。
そのまま我が家にお泊りになる予定。

以前書いたけど、来春からのキムタツフェアを睨んで、ちょっと企画を考え
ていらっしゃるとのこと。その件があって、安河内先生に電話してたのです。

ちなみに秋のキムタツフェアに関してはすでに始まっております。

お勧め参考書・問題集のリストや実施されている書店さんのリストをご覧に
なりたい方はアルクのHPから見ることができます。
              ↓
    お勧め学参リスト・書店さんリストはこちら

今回は秋ということで、「直前バージョン」でした。春バージョンのは50冊で
すし、新入生も見るかと思うので、それぞれの本をいつどのようにやるかと
いう部分まで踏み込んでやろうと思っております。

和田秀樹先生のようにたくさん紹介するのもいいかと思うんですが、僕は、
だいたい各分野数冊に絞って、これはいいなと思うものだけを紹介します。

お楽しみになさってください。英語の勉強法も含めてご紹介しますね。

 

(追記)それを中高6年間のシラバスの中で紹介したほうがいいのか? 

(追記)森末さん、中谷さん、西さん、メールありがとうね。
     こちらのブログで回答しますので、お待ちください。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 日記  

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文法、大事です

Posted on: 2009年11月11日(水) 21:09

基礎編

いろんな歌の歌詞とか新聞広告を見ていて、英語が間違っていたりすると
訂正したくなりませんか。僕はどうも気になってしょうがないのです。

言うまでもなく、僕は英語の研究者ではなく教員なので、いかに生徒たちに
うまく英語を勉強させるかというのを主たる仕事にしております。

先般、同僚の結婚式で灘の校長先生が「研究者と教員とは違う」と仰った
のですが、僕もそう思います。

だからあまり英語の細部までを生徒に教えるようなことはしていません。
そんなことは大学に行って、さらに英語の知識を深めたい生徒がすればいい
のであります。僕は彼らが社会に出たときに通じる英語を教えております。

が、そのためにはある程度以上の英語力は必要だし、そもそも勉強とは
自己研鑽のために主体的に行うものなので、ひたすら勉強の日々なのです。

でね、学べば学ぶほど、過去の自分を恥じるとともに、自分の周辺にある
間違った英語が気になりますねん。

たとえば先般もあるお店の店先にMerry X’masと書いてありました。

アポストロフィの使い方が・・・このお店ではケーキを買うまい・・・

などと思いつつ、大阪のおばちゃんの血を受け継いでいる僕としてはです
なぁ、お店に入って、「Merry XmasかMerry Christmasにされたほうが、
たぶんケーキの売り上げが伸びますよ」などと言いたい。

Xとmasの間にはアポストロフィは要らない。

以前、ある服屋さんのチラシに「21th」と書いてあったのです。さすがにこ
れはと思ったので、その服屋のHPから「21st」ですよとメールしました。

無視された\( ̄_ ̄)/

そして数週間後に同じ服屋のチラシが入っていたので見ると、21stになっ
ていたので、ちょっとどうなん?と思うことになる。

担当者はメールの返事ぐらいせぇよなぁ。

他にも気になるところはあるんやけど、まぁ僕も人のことをいえた義理では
ないので、日本語も含めてちゃんとした言語を使おうと思う。

日本語も含めてというと・・・

「先生はおっしゃられた」なんて言う人がいらっしゃいますが、これも間違い
でして、「おっしゃる」は「言う」の最高敬語なので「おっしゃる」が正しい。

「おっしゃる」にさらに尊敬の助動詞「れる」を付けることはできませんのや。

「先生はおっしゃった」でいいのです。

こういう細かいミスなんて気にしないで、どんどん喋ればいいじゃないか的
な、つまり文法軽視的な言語教育は間違ってると思うので、あえて老婆心
ながら書いてみました。文法、大事です。

基本をがっちり押さえた上で、いろんなものを読んだり聞いたり書いたりし
ながら、英語の力を総合的に上げていくのですね。

 

(追記)今日の授業で『Nextstage』を配布しました。中2の生徒たちに
     まずは単語と文法を徹底して教えてやろうと思っています。

  


kimutatsu

少しでも長く現役でいたいな

Posted on: 2009年11月10日(火) 13:14

やる気が出る言葉

最近は人と会うことが多く、明日はチャート研究所の方々が、明後日はアルク
の編集長(お地蔵さん)が、ウチにいらっしゃる。いずれも打ち合わせで。

貧乏暇なしとはよく言うたもので、僕は茂木さんのように確定申告をする暇さ
えないなんてことはないにしても、結構忙しい。

正直、もっと野球がしたいなぁ。昨日も職員会議で練習に行けなかったし。

最近思うんですが、忙しいのはいいけど、健康って大事ですね。

死後の世界研究家として名高い僕ですが(どこでや?)、キューブラー・ロスと
か立花隆とかの本を読んで、「とりあえずありそうやな」と思ってるのです。

だけどこの木村達哉という生は今回だけなので、一所懸命に生きないかん。

どうせ死ぬんやから努力しても無駄やという考えもあるわな。そういう生き方も
あっていいと思う。人生に対する姿勢は画一的であってはならん。

しかし逆説的に捉えれば、どうせ死ぬんやから生きている間に自分をどこまで
高められるかチャレンジしたいという考え方もあっていい。

死ぬときになって「充実した人生やったな」と考えていたい。

先般、安河内哲也先生と電話で喋っていたときに、先生が「どうせ生きたって
あと20年ですから、人からどう言われたっていいので、悔いのないように生き
ますよ」と仰っていて、あぁ自分と同じ考えでいらっしゃるなと思いました。

でも頑張るには頑張るけど、体を壊したりしては何もならないですよね。

最近は疲れが溜まってきたなと思ったら、どっかり寝ることにしとるのですよ。
先般の夜行バスのときもそうでした。

教員としての現役生活は(灘の定年は65+3=68歳)あと20年なんですよ。
で、物書きとしては目と頭と手が動けば、何歳になっても続けられるのです。

死ぬまで現役でいたいなと。

少しでも現役でいられるために、体のケアを怠らずに行おうと思っております。

ところで・・・

受験生もそうですが、睡眠時間が短いと集中力が落ちますよね。これ、若い
時はあまり気がつかないのではないかと思ってるんです。

若いから体力あるでしょう? その体力でカバーできる部分があるのではない
かと思うんです。実はかなり集中力が落ちてるのに。

秋の東大模試などが近付いてきて、焦る気持ちがあるかもしれないけど、せ
めて疲れたなと思ったときぐらいはがっつりと寝ましょう。

本番はまだまだ先です。東大模試やセンターファイナル模試などが入試なの
ではない。模試はあくまでも模試に過ぎません。本当に。

本番で力を出せるように、体力や精神力にも気を配りつつ、頑張って下さい。
応援しております。

 

(追記)広島のAICJ中・高校の小山先生、『ユメタン』①ご採用賜りまして
     ありがとうございました。感謝申し上げます!
     生徒さんたちによろしくお伝えください。単語学習を単語学習だけで
     終わらせないように、『ユメタン』で4技能全体を高めましょうと。

(追記)東山中学の西山先生、『ユメタン』ゼロ、実物を見てもいないのに
     ご採用賜りましてありがとうございました。びっくりしました。
     発売前に一括採用を頂いたのには驚きました。感謝申し上げます。
     それと来年の練習試合の日程を詰めましょう。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 人生論  

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極めたいという情熱があれば

Posted on: 2009年11月9日(月) 13:34

少路小学校にて

先般、日本大学中・高等学校にお邪魔したときに、実は凄くやる気をくすぐ
られる出会いがありましてね。今日はそれについて書こうと思います。

新横浜の駅からタクシーに乗ったんです。

運転手さんは70歳前後の方でした。

僕ね、あんな狭い空間で2人とも黙ってるなんて不自然な状況には耐えられ
ないんです。だから喋り始めました。いつもどおりですが。

木 :いつも思うんですが、東京や横浜って人が多いですね。景気が関西
   とは違って、とてもいいのがわかります。
運 :そうですね。関西はかなりひどいらしいですね。
木 :僕はあまり景気とは関係ない職種なんですが、どうもそうみたいで、
   タクシーの運転手さんたちもかなり苦労されてるみたいです。
運 :でもお客さん、東京以上に景気のいい都市がありましてね。
木 :横浜より? えー、どこでしょう。
運 :上海です。いえ、北京もそうですが、中国は全体的に好景気です。
木 :あー、なるほど。
運 :実は7月に上海に行きましてね。あまりに景気がよくって、3日間だけ
   滞在するところを10日もいて楽しみました。
木 :でも運転手さん、7日間も滞在を引き延ばすとなると、ホテルとかの交
   渉を考えると、かなり言葉が達者じゃないと無理ですよね。
運 :いえね、恥ずかしい話ですが、私は北京語と広東語ができるんです。
木 :えー、すごい。どうやって勉強しはったんですか。
運 :お客さん、中国に行ったことはありますか。
木 :あります。というか、私も中国が好きで、6~7回は行きました。あの
   規模の大きさと、人々のおおらかさと、熱烈歓迎の様は日本とは全く
   違いますよね。
運 :そのとおりです。でも最初に行ったとき、ちょうど私が50歳の時です
   が、こんな国、二度と来るものかと思ったのです。だってそうでしょう。
   五つ星のホテルに泊まったのに、お湯は出ない。フロントに電話した
   って「すぐに行く」と言いながら2時間以上来ない。こんないい加減な
   国はもうたくさんだと思いましてね。
木 :なるほど。それも含めての「おおらかな中国」を楽しめないと、日本の
   国内やリッチな旅行しか知らない人には耐えられんでしょうね。
運 :そうなんですよね。でも帰ってから思ったのです。あの規模の大きさ
   を楽しめなかったのは、もしかしたら自分の責任じゃないかと。
木 :ほぉ。

Mt. Fuji

運 :もっと中国の人々と交流できていれば、もっと楽しめたんじゃないかと。
木 :それで勉強されたんですね、中国の言葉。
運 :マスターするまでは中国に行かないと決めました。そして本屋さんで
   CD付きの中国語の本を買ってきましてね。片時も離さずに勉強して
   いきました。本当に片時も離さずに。
木 :どないやって勉強しはったんですか?
運 :どんどん読んでどんどん聞きました。読んで聞いたものは全て暗唱
   していきました。飲みにいくときは中国人の方がやっているお店ばか
   りに行って、お店の人に頼んで中国語だけで話してもらいました。
木 :最初は通じなかったでしょう?
運 :もちろん。でも生の中国語に触れたくて、そうしました。
木 :どれぐらいで中国語ができたと感じましたか。
運 :3年です。3年間で5冊まるまる暗唱しました。
木 :5冊暗唱!?そりゃ凄い!全部暗唱しはったんですか?
運 :それ以外に方法を知らなかったですから。CDがついていない教材は
   買いませんでした。全て読み、それを聞き、そして覚えました。
木 :鬼気迫るものがありますね。
運 :自信になりました。学歴もない自分ですが、やればできるんだなぁと。
   3年で5冊暗唱してから、53歳のときに中国に再度行きました。
木 :どうでしたか?
運 :素晴らしい国だと思いました。最初は香港から来たんだろうって言わ
   れましてね。どうしてだと聞くと、日本人は中国語も英語もできないと。
   それだけ北京語ができるのはきっと香港の人間に違いないと。
木 :なるほど。
運 :いや、俺は中日友好のために3年間こうやって勉強したんだと言うと
   彼ら中国人は熱くもてなしてくれました。中国人はもてなすのが大好き
   ですし、物をもらうのが大好き。物をあげるのも大好き。人が大好きで
   胸襟を開くまではなかなかですが、友達だと思うと、自分は破産しても
   いいからその客人をもてなす国民です。もてなしてもらいました。
   それ以来、毎年中国に行っています。今年70歳ですが、これで17回
   めやったのです。
木 :・・・(感動してしまって何も喋れない)
運 :子どもたちも手を離れたので、もう働かなくてもいいのですが、毎年
   中国に行くためにタクシーの運転手をやってます。
木 :いや、感動しました。感動したという言葉では言い尽くせないけど。
運 :私は何もできなかった。だから生きている間にせめてこれはという力
   を身につけたかった。たまたまそれが中国語だっただけです。
   ところでお客さんは何か外国語ができますか?
木 :何もできません。英語がほんの少しできるだけです。
運 :極めたいという情熱があれば、全くできない状態からでも3年でOK
   です。なんの才能もない私でも3年なのですから、英語が少しだけでも
   おできになるなら、どんな言語でも2年ぐらいで極められるでしょう。
   大事なのは方法なんかではなく、情熱だと私は思います。
木 :私、教員をしてるんです。生徒たちに今の話を伝えたいと思います。
   今日はいいお話をありがとうございました。

先月から英語の勉強を始めて、アルクのヒアリングマラソンなどをやってる
のですが、それは実はこの運転手さんとの会話がきっかけなのです。

運転手さん、僕も負けずに頑張ります。

暇があれば読み、暇があれば聞き、そして暗唱します。そしてもう大丈夫と
いう自信ができたら・・・

どうしようかな、それはきっと勉強を継続し続ければ神様が教えてくれるか。
頑張っていれば神様が背中を押してくださる気がします。

今はヒアリングマラソンを聞いて、まるまる覚えていっています。ものすごく
ペースは遅くなるけど、でも英語を極めたくて頑張っています。

勉強ってこんなにも楽しいのですね。高校時代にそれを誰かが伝えていて
くれればまた違った人生だったのか。それとも誰かが教えてくれていたのに
それを聞く耳を持っていなかったのか。

英語とフランス語と中国語を極めてから死のうと決めました。頑張るよ。

 

(追記)頑張っていればこういう出会いもありますね。神様ありがとう。

 


kimutatsu

本番に強い人間になりましょう

Posted on: 2009年11月8日(日) 23:19

試合風景

灘区東灘区大会は住吉中学の優勝で幕を閉じました。いやらしい野球をする
チームなのですが、主審をやっていて、やはり強かったですね。

打てない選手でもラインぎりぎりに立って、デッドボールをもらおうとしたりとか
足の速い選手は最初からぼてぼてのゴロを打とうとしたりとか。

うち?いや、負けました。力を出せずに。残念です。

思うんですが、普通に練習しているときにできても、追い込まれたらできない
というのではあきませんなぁ。

勉強も同じですね。模試でできても本番と模試とでは違いますもんね。

前日や当日のメンタリティから、それに起因する体調まで、まったく違う。

本番に弱いタイプというのがいますが、やはりそれではダメで、それは大人に
なってもいるもんです。プレゼン本番になるとどうも失敗するとかいうタイプ。

追い込まれる経験が少ない人は本番に弱いという話をよく聞きます。

他チームの話を聞きますと、5時間走った後にノックをするとか打撃練習をす
るとか盗塁練習をするとか、そういうことをやっているそうです。

要するに、もう限界という状況からさらにハードな練習をするんですね。

うちもやってみるか。

そういえばアントニオ猪木が「疲労の極限からのドロップキックこそ本物だ」と
言っているのを何かの雑誌で読んだことがあります。

皆さんは本番に強くなる練習をしていますか。

眠くてたまらんという状況から、それでも気持ちをウォリャア!と奮い起こして
勉強を頑張るとか仕事を頑張るとか。

これ以上は無理という気持ちって、実は無理でもないような気がします。

本を書いていると締め切りとの戦いですが、極限って意外とまだ先にあったん
やなという経験ばかりです。

おかげで鍛えられますわ(笑)

鍛えられていると本番に強くなります。

精神的にしんどい状況でも「考えたら死にゃあせんわな」と考えると気楽ですし
いま目の前にある任務に集中することもできます。

どうせ生きてもあと30年ぐらいやったら、やりたいことを精一杯やるかと思え
ば、緊張するのもバカらしくなります。批判も失敗も怖れなくなる。

そうすることで力を出すことができます。

是非とも本番に強い人間になってください。本番に強い人は周囲から見てい
ると力強くて余裕があってインスパイアリングで、とても魅力的です。

力がないくせに余裕だけかましてるようなのとはオーラが違いますよね。

さて今週も頑張りましょう!週末は福岡大濠高校で講演を頼まれています。

野球の強い高校ですね。ソフトバンクにドラフト指名された選手もいる学校な
のですが、野球部の先生にいいアドバイスをいただけたら嬉しいな。

 

(追記)負けたけど、エースはよく投げた。守備が乱れたのが痛い。
     春は鍛えなおして、絶対に勝ち進む。

 


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 人生論  

kimutatsu

メールありがとう!

Posted on: 2009年11月6日(金) 23:48

練習風景

甲子園にオフィスを移してから三宮に飲みに行く機会が激減しましたが、お陰で
仕事はどんどん進んでいきます。採点も早くなったし、言うことなし。

お世話になった三井のリハウスの高山さんから「ブログを楽しみにしています」と
言われ、また「ちょっとだけでも毎日更新してください」と言われ、「内容的に薄い
記事になっても?」と聞くと、「極端に言えば写真だけでも」と言われました。

そんなものかなと思いつつ、できる限り更新していこうと思ってる木村です。

コメント欄を廃止してからメールをいただく機会が増えましたが、先日このような
メールを頂戴しました。藤本クンという高3生徒からです。

*******************************

こんにちは。突然のメール失礼します

高校三年生のものです。以前キムタツ先生に講演に来ていただいた
学校に通っているものです。どこの学校かは気恥ずかしいので控え
させてください(汗

キムタツ先生の私大リーディングやらせていただいてます^^
国立大学のほうもやらせていただいてます。

他にも長文系の問題集をいくつかやってきたのですが、
先生の問題集が一番わかりやすかったです^^
解説の見やすさ、詳しさは本当にありがたいです。
さすがはキムタツ! と感動してしまいました。

長文が苦手で苦手で泣きたくなるような自分でしたが、最近では
長文の勉強が楽しくて。ユメタンも毎日続けています。

これからも素晴らしい著書を書いてくださることを期待しています!
寒くなってきましたのでお体に気を付けてください^^

*******************************

長文の勉強が楽しくてというのがいいですね。勉強ってのはし始めると楽しい。
勉強が苦痛というのは、要するにちゃんとやれてないからだと思うんですよね。

藤本クン、メールありがとう!

実はメールの返事を書いたんだけど、うまく送信できないのです。なのでこちら
のブログを使って返事を書きます。受験、頑張って下さいね。応援しています!

 

(追記)明日は試合。その後、同僚の結婚式で奈良までダッシュでいきます。
     同じ学年の若い先生の結婚式ですが、スピーチと歌を頼まれてる。
     真面目に歌うのもどうかと思うので、いつもどおり色物路線で参ります。

  


投稿者: kimutatsu  |  カテゴリー: 日記  

kimutatsu

日々の積み重ねこそ

Posted on: 2009年11月6日(金) 8:55

紅白戦の風景
(中3対中2の紅白戦の風景)

いつも野球の試合や練習の風景の写真を使っていますが、これはすべて
先週の保護者の方が撮って下さるものを譲っていただいているのです。

去年は西川さんが撮って下さり、今年は玉村さんが撮って下さっています。

いつもありがとうございます。 

さて夜行バスのほとんど完徹状態から授業と面談をし、12時間寝た後に
公式戦(灘区東灘区大会)の1回戦が行われました。

私はふらふら。

なのに会場は灘でした。

会場責任者+監督+審判と、1人3役をこなさねばならなかったのです
が、部長の前川先生の助けもあり、なんとか乗り切りました。

さて、夏の公式戦では1勝もできずに涙を飲んだ灘中野球部でしたけれど
それ以来は基本的な練習、特に素振りを重視して取り組んできました。

守備についてはだいたい(まぁ、だいたいではいかんのですが)OKなので
問題は打撃なのです。それとバントね。

なのでバントの小テストなどを行いながら、練習してきました。

素振りは1日300スイングしようということで、生徒たちに課してきました。

結果、9-5で公式戦初勝利!をおさめることができました。よかった・・・

7-0までいったときはこのままコールド勝ちかなと思ったのですが、相手
の中学は市大会まで駒を進めた強豪なので、粘る粘る。

一時は7-5まで迫られましたが、最終回に2点を取って突き放しました。

よく打ちました。相手の監督さんも客席で観戦していた次に当たる魚崎中
の監督さんも「よぉ打ちますねぇ」と。

確かにスイングがかなり速くなった。

素振りを繰り返しただけなんですが、大事ですね、基本的な練習って。

速いのを打つために速いボールで練習するってのもいいんでしょうけれど
でもまずは遅いボールが打てないと速いのは打てないと言われます。

勉強もそうです。

速い英語を聞こうと思ったら、まずは遅いスピードのをいかに数こなすか
というのが大事なんですよね。

そこでどれだけディクテーションや音読を反復するかです。

基本練習を大事にしたおかげで勝てました。選手たちも基本的な練習の
繰り返しがいかに大事かわかってくれたのではないかと思います。

1番打者から4番打者までがクリーンヒットを続けることができ、守備陣も
ほとんどエラーがありませんでした。

逆に7-0から7-5にされるきっかけになったのは、やはり四球とエラー
でした。ミスをすると、次は精神力が強くないとつけこまれますね。

いろいろと勉強になった一戦でした。

プロ野球のほうでは星稜高校の卒業生である彼が海の向こうで大活躍。
ワールドシリーズのMVPを獲得しました。素晴らしいことです。

イチロー選手も松井選手も基本的な練習を大事にしていると聞きますが、
結局大きいことを成し遂げるためには、奇をてらうのではなく、当たり前の
ことがどれだけ当たり前にできるかが大事なんですね。

今日は保護者会の最終日です。成績の悪い生徒たちがどうして悪いのか
というと、日々の復習ができていないからの一言に尽きます。

直前の定期考査対策に失敗したからではない。

かく言う我々教員のほうは授業のクオリティを上げ続けないと駄目です。
現在の自分に満足することなく、日々の小さい努力を重ねることですね。

 

(追記)明日の2回戦に勝てば準決勝進出です。

 


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