BLOG / ブログ /

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 海外メディアの報道に思う

海外メディアの報道に思う

2021.05.07(金) 07:00

日本でワクチン接種をしようとすると、まずは予約するんですね。北野武さんが、スタッフ総出で電話をしてもつながらなかったと述べておられましたので、予約しにくい状況なんでしょうか。そして接種券と本人確認書類を持って、会場に行くということだそうです。けっこうな手間ですね。

一方、ワクチン接種率の高いアメリカ。なんとマリナーズの球場やドラッグストアでワクチン接種ができるとのこと。ワクチンは錠剤ではありませんので、問題になるのは誰が打つのかということです。アメリカでは必ずしも医師が打つわけではありません。ドラッグストアには薬剤師しかいませんからね。医学生やボランティアも打つ側にまわっています。

日本の場合、医師や看護師が注射をするので、彼らを確保するところから始めないといけません。それぞれの医師や看護師が働いている病院での治療が優先されるはずですので、そう考えると日本のワクチン接種が遅れがちになるのは当然なのでしょう。

日本メディアの姿勢を問う

最近は海外のメディアが、IOCの違約金なんか無視しろとか、違約金を支払ったほうが安くつくなどと積極的に報道し始めました。それもタブロイド紙ではなく、ワシントンポストをはじめとする有力紙がです。メディアの仕事は国民の代わりに権力者を監視し、国民の声を代弁することです。したがって、政府与党に忖度せず、自分たちが庶民の代表だとばかりに書きたてます。海外のメディアはこの1週間で、多くの「オリンピック開催不支持」の記事を打ちました。当然の流れでしょう。

一方、開催国の日本のメディアは沈黙しています。それどころか、テレビ番組の中には、開催を推奨するような内容のものも。日本のメディアは本来のジャーナリズムとはまったく異なり、単に大学卒業後に採用された会社員たちが上司の顔色を見ながら仕事をしているので、海外のプロメディアとは異なり、国民の立場で記事を書くことはほとんどないとよく言われます。そしてその元凶は記者クラブだとも。平穏なときであれば、サラリーマンも大変ですなぁで済ますこともできるかもしれません。

しかし、少なくともオリンピック・パラリンピックがウィルスをまき散らすsuper-spreaderになるのであれば、そして国民の多くを死に導く可能性があるのであれば、7月21日から始まる東京大会の開催にクエスチョンマークをつけなければならないのは、海外のではなく日本のメディアなのではないでしょうか。今回のコロナ対応で日本の政治家と厚労省は評価を著しく落としましたが、それと同時に日本のメディアもそのクオリティーの低さが露見したのではないかなと思っています。また、インターネットが普及し、海外メディアの報道を読むことができるようになりましたが、そのおかげで日本メディアの質の低さが露呈しているように思います。

木村達哉拝