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看護の日に思う

2021.05.12(水) 10:17

5月12日。今日はある人の誕生日なんです。ご存じでしたか。近代看護教育の母、クリミアの天使と呼ばれたフローレンス・ナイチンゲールです。彼女の誕生日にちなんで、1965年から国際看護師協会は今日を「国際看護師の日」に定めています。日本では1990年に厚労省(当時は厚生省)が、5月12日を「看護の日」と定めました。

こうして当たり前のように書いていますが、調べれば調べるほど、ナイチンゲールという看護師(当時は看護婦)はものすごい人ですね。言葉が陳腐で申し訳ないけど、「ものすごい」と形容するのが一番ぴったり当てはまるように思います。19世紀のクリミア戦争で負傷した戦士たちを、不衛生な病院で看護するのは並大抵の仕事ではなかったはずです。

21世紀になった現在も、看護師のことを「白衣の天使」と呼ぶのは、ナイチンゲールに由来しています。彼女が近代看護にいかに影響を及ぼしたかがわかりますよね。ナイチンゲールの「天使とは、苦悩する者のために戦う者である」という言葉は、当時の現場の悲惨さをよく表したものだと言えるのではないでしょうか。

2020年(昨年)の看護の日、47都道府県のうち、感染者が報告されたのは10しかありません。東京の91名が最多で、北海道が12名。それ以外の8府県はすべて一桁。今では大変なことになっている大阪府も兵庫県も1名。そして、残りの37府県の感染者数は、今となっては信じられないかもしれませんが、ゼロでした。

一年経って新型コロナウィルスの変異種が蔓延し、2021年の看護の日は大変なことになってしまっています。街を出歩く人を非難する人もいらっしゃいますが、しかし報道によると政治家のパーティーに医師会の先生が出席していたそうですから、庶民が出歩くのもしょうがないんじゃないでしょうか。

病院は重症者で溢れ、医師も看護師も大変です。街では多くのお店が閉まっています。営業マンたちは営業に出ることができません。私たちはちょっと咳が出るだけで、あるいはちょっと熱っぽいだけで、なんだかドキドキします。いつまでこんなことが続くんだろうと思っている人たちが多いはずです。

今日は看護の日。もしもナイチンゲールが私たちの様子を雲の隙間から眺めておられるとしたら、どう感じていらっしゃるでしょうね。皆さん、ご自愛専一にてお過ごしください。医療現場におられる皆さん、ありがとうございます。

木村達哉拝