4月16日。昨日は那覇市古島駅の近くにある小さいシアターで演劇鑑賞。「9人脳」という演劇で、ショート劇を3本観ることができた。20時開演だったので近くのファミレスで夕食を済ませ、同劇場へ。何度か夕食をご一緒した女優の平良直子さんが出演されるということで楽しみにしていた演劇である。
1本20分。これだけの長さだと逆に差が際立つ。演じる役者さんの技量は言うまでもなく、脚本家のスキルも問われる。長い講演よりも1分や2分のスピーチのほうが難しいのと同じである。3本鑑賞したが、3本目の「はるちゃんの夕陽」が断トツでよかった。逆にショートの喜劇はかなり難しいなと思わされた。
私は物書きなので、脚本の組み立てを意識しながら演劇を鑑ることになる。この台詞はここじゃないだろうとか、ここで舞台を切り替えたかとか、私がこの作品の作家ならこの場面はそろそろ切るがなぁ等など。上記の「はるちゃん」は良い意味で予想を裏切ったし、良い意味で予想どおりだった。俳優陣も見事だった。今週末まであるので、舞台好きな方は「九人脳」で検索されたし。
倉本聰先生の脚本を読んだとき、あるいは向田邦子先生の脚本を読んだとき、興奮を抑えきれなかった。とてつもない感動に襲われた。私だって書く側なのに、どうにも演じたくなった。脚本の冥利というのはそういうことなのだろう。読者を震わせる作家になりたい。
今まで93作の本を出してきた。仕事柄、どうしても英語関係、教育関係の著作が多いけれど、まだまだ人生は続く。今の路線は残しつつ、新しい道を切り開いていこうと思っている。先月は小説家の我孫子武丸先生にお話をうかがう機会を得たが、この週末は角田光代先生といしいしんじ先生である。
これからも多くの本や舞台に触れて感性と技術を磨き続けよう。61歳。未熟の至りである。
木村達哉
追記
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