6月28日。埼玉県深谷市の創学舎高校(通信制高校)で講演2本。同高校は深谷市と五十嵐雅子校長とがタイアップして、不登校の子たちをなんとかしないといけないという思いのもとで運営されている。年々生徒数は増えているが、先生方も含めてボランティア精神で続けておられる。したがって、吾輩もボランティアである。
生徒たち全員が『ユメタン⓪』『ユメタン①』『まるまる反復英文法総復習BOOK(基礎)』を持っている。先生方からのメッセージとしては、この2000単語と英文法はしっかり勉強せんと大学なんか行けるわけないだろうということである。著者が、どう使えば英語力が爆上がりするのかを説明することになった。
生徒たちの課題の提出状況が悪いとのこと。英語の勉強についての講演ではあったが、根底に必要なのはファイティングスピリットである。「英語が話せるようになりたい」「英語を使う大人になりたい」といったなにかしらの欲がなければ勉強しようという気持ちは続かんだろう。大学入試程度なら、どこでもよければ私学だとかなり高くつくが、なんとでもなるので勉強への意欲は続かない。
吾輩の場合、ぐうたらを極める人間ではあるが、貧乏と病弱が幸いした。今の子どもたちは、いくらカネがないだのなんだの言っても説得力がない。高いスマホを持っていたりゲーム機を持っていたりする貧乏人などいないではないか。それなりにカネがあるからファイターになれないのだ。加えて、病弱は吾輩を健康に相当気を遣う大人に育てた。
70人の生徒たち。通信制を選んだ理由は人によって違う。体が不自由で車いすの子もいた。髪の毛を真っキンキンに染めた子もいた。終始うつむいているエネルギー量の低い子も。しかしな、人間にとって大事なことは与えられた条件下で一生懸命に生きることやぞ。弱点があるからといっても、幸せに生きるために自分で歩いていかねばならぬ。
英語を勉強するかどうかも含め、自分で決めることだ。そして勉強するぞと自分と約束したのであれば、その約束は果たそう。他人との約束は多少破ったところで謝ればいいが、自分との約束を破ると甘えにつながって、それがそのうち癖になる。甘えが癖になった人間が成功することはないと考えていい。
英語の話よりもむしろ人生を話をすることになった。生徒たちはよく聞いていた。中には英語が全然できない子もいるだろうが、それは今までが駄目だったのであって、現在と未来の自分を努力家に変容すればいいだけのことである。
さすがに甲子園と深谷の往復日帰りは疲れた。6時半に家を出て、22時に帰宅した。珍しく家で缶ビールを開けた。
木村達哉
追記
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