7月5日。福岡の田中君が連絡してきてくれた。若い先生だが、しっかりしていて面白い人物である。今年になって息子さんと一緒にアメリカへ行き、吾輩と同じように自炊生活を送りながら一週間ほど楽しく過ごしたということであった。来年はどこへ行かれますかと聞くので、久しぶりにロンドンがいいなと答えた。谷岡先生にいただいたバンコクの本が威力を発揮することになるやもしれん。
田中君のFacebookをみると、キャンプを楽しんでいるようだ。吾輩、残念ながらその手のアウトドアライフを経験したことがない。父親がそういうものから縁遠い人間だったのと、吾輩のぜん息が大変だったのが理由だろう。テントを張り、釣りをしたり泳いだりするのはさぞかし楽しいだろうなと思う。
そういえばラ・サールの丸山先生も若い頃にアラスカへ行き、現地の人たちとそういう生活を通じて知り合って親しくなったと伺ったことがある。ドラえもんではないが、今から机の引き出しを開けてタイムマシンに乗れるとしたら、大学時代の暇を極めている自分に逢いにいき、自堕落な生活をするのではなくて外へ出ろと、海外に出ろと、たまには自然の中で自己と向き合えと叱咤するだろう。
貧乏で病弱で、借金だのなんだのと糞みたいな目にも遭ってきたが、それなりに経験値の高い人生を送ってきた。6000万円の借金も不幸にはつながらなかったな。ただ、ひとつだけ取り戻せるものがあるとすれば、海外留学生活とキャンプだなと、今になれば思う。
今からでもキャンプぐらいはできるじゃないかと言うかもしれんな。確かにそれは間違いじゃない。ただ、若い頃にキャンプを経験したかった。そうすれば息子や娘を海や山に連れていって、楽しい経験をさせることもできただろうに。
アメリカにいて考えるのは、自分の人生であり、自分の祖国である。そろそろ帰りたくなってきた。もっと動きたくなってきた。やりたいことが増えてきた。書きたいものが増えてきた。いい感じでエネルギーが充満しつつある。
だからとて、突然、よしキャンプに行くぞと言うことはないだろうが、海外でのんびりするメリットはこういうところだ。日本にいるときは、もっとのんびりしたいなと思ってばかりいるのに、海外で一週間か十日過ごしていると、もっと働きたいな、もっともっと成長したいな、やりたくてもできなかったことを今こそしたいなという気になる。
明日、もう一日はゆっくり街を見て歩こう。
木村達哉
追記
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