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妄想に耽るために

2025.06.29(日) 10:00

6月29日。暑いのが嫌いなわけではないが、しばらくは日本を離れる。たまに日本を離れ、遠くから日本を眺めるのは不可欠であるし、日本にずっといて同じリズムで生活していると感性が鈍る。特にクリエイティブな仕事をしている吾輩にとっては、旅は必須アイテムである。

歳を重ねると、旅に欠かせないのが薬である。吾輩の場合、子どもの頃から誰よりも仲良くお付き合いをしているぜん息の薬だけは欠かせない。また、数年前からこれまた親しくしている緑内障の目薬もである。うっかり忘れて長期に亘ってさし忘れると失明する。右目だけの話だが、すでに視野が欠けて縦書きが読みづらい。

もしも吾輩がひとつ目小僧だったら、すでにまともに生活はできないだろう。そんなアホなと言うのは常識的な方々である。物書きというのはこんなことばかり考えておるのだ。というか、こういう脳でないと文章は書けないのだ。ひとつ目小僧でなくてよかったと本好きとしては思う。

海外旅行といっても、吾輩の場合はあまりカネを使わない。証券会社の担当者は笑っておったな。私ならあるだけ使います、とのたまっておった。金融機関の社員が言うことではないぞと諫めておいたが、吾輩は街歩きをしてヒューマンウォッチングをするのが大好きなのである。生きている間に地球を見ておきたい。そのためにいろんな国や地方に行く。

ここで生まれていたらどんな人生だったろう、目の前の老夫婦はどんな人生を送ってきたのだろう、イギリスでもタヒチでもパリでもソウルでもオアフでもハワイでもニューヨークでもベイジンでもシーアンでも、そんなことばかり考えて過ごしておった。

小学生の頃から太宰先生や遠藤先生の小説を読み、妄想にどっぷりと浸っているのが大好きだった。おかげで宵っ張りで、布団に入ってもずっと起きて妄想の中で蠢いておった。今は海外に行き、街と人を見ながら妄想に耽るのが大好きなのである。

そんなわけで、版元各社の編集部および営業部の面々よ。吾輩に連絡をしても電話をとることはきっとない。いちおう街歩きに必要なのでWi-Fiは持っていくが、仕事で使うことはいっさい無い。直前になって申し訳ないが、そういうことで一週間以上消える。

木村達哉

追記
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