7月14日。静岡から西宮までおよそ5時間のロングドライブ。静岡に来るようになって、空が晴れていても富士山が見えない日も多いということを知った。日本はどこも蒸し風呂のような国になったと思っていたが、朝夕は布団をかぶっていないと寒い場所があるということも。
家にいながらにしてスマホをいじれば何でもわかると言うのは嘘である。その場所に行かないとわからないことばかり。場所だけではない。酒や食べ物にしても然り。このワインは芳醇な味わいでと言われても、実際に飲んでみなければわからない。逆に、芳醇どころかすかすかやないかということも多々ある。
最終日、ようやく富士山が機嫌を治してくれたのか、少しだけ姿を見せてくれた。ずっといいお天気だったのに、今か今かと待っていたのに、ちっとも姿を見せてくれなんだ。やはり富士山は特別やな。うまく言葉にできないが、いつまでも見ていられる。静岡を出る前、妻とさくらと一緒にしばらく眺めていた。
先週はアメリカへ行ったが、秋はヨーロッパの街を見て歩こうと思っている。吾輩、ヨーロッパはまだイギリスとフランスにしか行ったことがない。今回はドイツ、オーストリア、スイスに行く予定で計画を立てている。これまたネットで風景を見ることはできるが、実際に歩かないとわからんことばかりである。
静岡だって、沼津の加藤学園高校から講演の依頼を受け、そのまま日帰りしていたらアパートを借りることはなかっただろう。こんなにも空気が穏やかで、こんなにも居心地がいい場所があるのかと心に電流が走ったのである。行ってしばらく滞在し、人と話したり歩いたりしてみないとなんもわからんというものだ。
そう思うと、47都道府県はすべてそれなりに旅行をしたが、地域となると行ったことのない場所は多い。たとえば、北海道の稚内や知床なんかは一度行ってみたいと思いながら何年も経つ。沖縄だってこんなに行っているのに宮古島はまだである。うかうかしていると、いつあの世に旅立つかわからん。
昨日のポストにも書いたとおり、吾輩は出不精の旅好きである。旅先ではのんびりしていることが多く、活発にあちこちを見てまわるという風ではないけれど、せっかくこの地球に生まれてきたのだから、できるだけ多くの場所を訪れたい。えらいまたいろんなところに行ったんやなと閻魔大王に呆れられる程度に旅をしたい。食欲、性欲、出世欲、物欲、いろんな欲があるけれど、吾輩の場合は旅欲である。
木村達哉
追記
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