7月29日。江國香織さんとの宴席。極めて楽しく、おそろしく充実し、そして魂をぶるぶると震わせてくれる時間となった。彼女および編集者の木葉さんの玉言が精神の奥底に深く染み入った。生きて過ごしてきたありとあらゆる時間の中で、もっとも心が高揚する6時間となった。
毎日この本の1ページ目を開いているんです。
そう言うと「毎日、ですか」とお笑いになった。吾輩が答えるより先に、妻が「毎日です」と答えた。ご飯を食べている間も1ページ目を開いて横に置いているんです、と。江國香織さんは実に素敵に微笑まれ、頭をおさげになった。
阿形順正は、私のすべてだった。
あの瞳も、あの声も、ふいに孤独の陰がさすあの笑顔も。
もしもどこかで順正が死んだら、私にはきっとそれがわかると思う。どんなに遠く離れていても。
二度と会うことはなくても。
暗唱したこの1ページ目をそらんじる吾輩。目を丸くする江國先生。
バーに移動したあとも、彼女と木葉さんから珠玉のお言葉を賜り、本当はメモをとりたかったのだけれど、できるだけ彼女の顔をずっと見ながら、魂に刷り込んでいた。
紹介してくれた教え子の園田涼、ご多忙の折にもかかわらず駆けつけてくださったMステの鈴木アナウンサーには感謝したい。妻と二人で「よかったな、よかったな」と、言い合ってばかりいる。
木村達哉
追記
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