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加藤学園高校の先生方と会食

2025.08.21(木) 08:00

8月21日。静岡県沼津市にある加藤学園高校の先生方と会食。話した具体的な内容は書けないが、少子化が進みゆく日本でどうやって学校経営をしていくべきかを情熱的に考えておられる先生方だなと思った。参加された先生方はみな、吾輩の話に耳を傾けてくださった。

同校は野球部が強く、甲子園の大会に出場した経験を持つ。春に教職員研修の講師として訪れたとき、校庭に出場を記念する碑が輝いていた。が、いくら野球部が強くても、学校の経営は成り立たない。加えて、生徒たちにとっては、そりゃ部活動は楽しいかもしれないけれど、それだけでは辛い未来しか待っていない。

多くの学校がその点で苦慮していると思われる。高校の授業料が実質的に無償化されていることもあり、授業中の居眠りがもったいないという気持ちがほとんどない子が多い。誰かから何かを教わろうと思うと常にそれなりの費用が必要となるし、だからこそ真剣になれるという部分もあろうかと思うが、それがなくなっているのではないか。

吾輩の高校時代、日本は今よりも貧しかった。貧乏から脱却するために勉強してえらい人になるという価値観があった。勉強は英語にしても数学にしても野球にしてもピアノにしてもしんどいが、苦労を乗り越えれば輝かしい未来があると信じて努力した。10万円以上するようなおもちゃを中学生や高校生が持っている現在、そんなことを考えている子どもはかなり少数派だろう。

学校も然り。大学や高校が閉校(つまり倒産)というニュースを他人ごとのように眺めている教員も少なくなかろう。が、ある年、生徒たちはぱったりと来なくなる。吾輩の知り合いが勤める学校も、ある年の志願者が前年度の半分近くにまで落ち込んだ。管理職に伺うと、なんの前兆もなかったとのことであった。そこから慌てても泥縄である。

昨年生まれた子どもの数が68万人。今年の高3生が103万人。倒産する学校が続出するのは明らかである。うちだけは大丈夫だろうという謎めいた自信を持っている学校ほど、惨めな思いをすることになるのではないか。加藤学園の熱心な先生方と話しながら、そんなことを考えていた。

木村達哉

追記
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