BLOG / ブログ /

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 文理選択の極意

文理選択の極意

2025.08.22(金) 09:20

8月22日。富士市の英語塾KID’S ENGLISH主催で講演会を持った。「文理選択の極意」という演題で、対象は高校1年生である。100人以上の生徒や保護者、先生方が参加された。こんなにもたくさんの方がお集まりになるとは思っていなかったので、その数字を聞いて思わず「嘘やろ」と声が出た。

灘校の場合、生徒が文系だと言えば文系だし、理系だと言えば理系である。数の調整はしない。したがって、1組の文系が40人クラスで、2組3組4組が60人クラスという学年もある。人生がかかっているのである。教員が他人の人生を勝手に変えていいわけがないし、アドバイスも慎重になる。

生徒たちには文理を選択する基準を教える。数学が苦手だから文系、英語ができないから理系といった「得意と苦手で決める」ことは悪手であることは必ず伝えねばならない。また、親や教師のアドバイスに従うのも悪手である。大人が育ってきたときの価値観にしたがって、これからを無事に生きられるわけがない。

どう選んでいいのかわからないという生徒には、文系学部(文・法・経済・経営・商・国際・外国語など)と理系学部(理・工・理工・農・医・薬・看護、情報など)の中身および卒業後の主たる進路について知識を持たさねばならない。知識もないのにテキトーに選ぶと、後からえらい目に遭う。

農学部を出ると農業をするんでしょうか、国際学部を選べば英語ができるようになるのでしょうか、医学部へ行くと無条件で医者ですよね、法学部へ行くとみんな弁護士や裁判官になるんでしょ、医者になるための学部ですよね、など、保護者と喋っているとほとんどカオス状態で、もうちょっとまともな知識を持っておいたほうがいいんじゃないかと思うことばかり。

ついでに言うと、教員も大して変わらないケースがある。理学部と工学部の違いを説明できる教員がどれぐらいいるんだろう。詳細を生徒たちに説明してやらずして、文か理かだけを機械的に提出させるのでは、幸せな未来など待っているわけがないと思うのだけれど。

100名の方々には上に書いたようなことを細かく説明申し上げた。生徒たちには、自分の人生の極めて重大な岐路であるという意識を高く持ってもらって、じっくりと考えてもらいたい。今までぼんやり生きてきた子もいるだろうが、学校選択以上に大切なのが文理選択である。また、途中で人生の目標を変えた場合、いち早く文転なり理転なりをすべきである。学年の途中でも構わない。ただ、そうならないように、しっかりじっくりみっちり考えていただきたい。

木村達哉

追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を火木土の週3通無料配信しています。読みたいという方はこちらから仮登録をし、届いたメールにて本登録をお済ませください。英語勉強法について、成績向上のメソッドについて、いろいろと書いています。家庭や学校、会社での会話や、学校や塾の先生方は授業での余談にお使いください。