9月2日。西宮市立西宮高等学校にて講演。対象は高1生徒。英語の勉強法というよりも、人生の進路をどう決めるか、どうやって幸せに生きるか、なんのために勉強をするのかというものであった。質疑応答で英語の質問が出たので、結果的には簡単に英語勉強法もお伝えしたのだけれど。
同校は卒業生を東大や京大をはじめとする難関大学に輩出している。つまり、灘校と同じく進学校である。こういう学校に入ると保護者は安心するだろうが、やはり一定の割合でやる気のない子たちが出てくる。ひとり、ふたりではない。学年に一割、つまり20人から30人は、せっかく合格したというのに勉強しなくなる生徒が存在する。
灘校も、ハーバード大学やMITなどに合格する子もいるが、高卒が最終学歴になる子もいる。何年かかってもどの大学にも合格せん子たちもいる。わしの教え子で11浪したのがいるが、5浪や6浪もして結局どこにも受からなかったと聞くと、保護者のことを思って胸が痛くなる。サボった本人が一番苦しいのだけれど。
どういう学校の講演でも最初に申し上げることなのだが、「うまくいっている人たちはこれから話す内容を聞かんでもよろしい。やる気が出んな、なんで勉強なんかせんとあかんのかな、学校なんか嫌いやなと思って苦しんでいる子たちのために話をする」と同校でも申し上げた。
生徒たちはしっかりと聞いていたように思うが、なにより大切なのは卒業したあとである。大学に入ると「担任」なんていう存在はいなくなる。「クラス」というものも存在しなくなる。ひとりで生きていくのである。自立心のない子は路頭に迷う。こんなはずじゃなかったと思う子も、吾輩もそうやったが、出てくる。
なんで学ぶのか、なんで努力するのか、なんのために学校はあるのか、知っておくことは大事やないか。世間のカネの流れを含め、学ばないと大人になってからどんな目に遭うのかも知っておかんと、30代40代になってカネがないとか時間がないとかしんどいとか言ってもなかなかどうしようもない。
同校の生徒たちが、そりゃ苦しいときもあるやろうけれども、しっかりと努力してくれればいいな。そして自分の愛する家族を幸せにし、周囲の人たちを笑顔にする人材に育ってくれればいいな。そういう思いを込めて、60分間、講演をさせていただいた。お世話になった先生方には感謝申し上げたい。
木村達哉
追記
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