9月26日。チームキムタツ関東支部の幹事である高木俊輔先生(聖光学院中学校高等学校)と教え子の高島崚輔芦屋市長が文科省の外国語ワーキンググループの委員として選ばれた。両者とも海外の大学経験があり、現在の英語教育の問題点を浮き彫りにして是正するメンバーとして適任である。
日本人の人口、特に若い層が激減してきた。安倍晋三首相が推し進めた政策のとおり、海外から入ってくる人たちが増えてきた。企業は、減りゆく日本人だけを相手に仕事をしていると倒産してしまうというので、教育業界のガリバーと呼ばれるベネッセコーポレーションがインドに進出するなど、海外進出をするところが増えてきた。
一方で、日本人の英語力が上がっているかと言われると、やはりダウトと言わざるを得ない。学校の責任だと言われるが、学校の先生方からすれば、だから言っているやないかと恨めしそうに霞が関を見ることになろう。文科省の政策が的外れもいいところなのは書くまでもなかろう。
外国語の学習は「話せてナンボ、聞けてナンボ」なのに、いつまで経っても英検対策だの試験対策だのに終始している。話すためには外国語のルールや語彙を頭に叩き込んでいかねばならないのは常識だが、いまだに文法の是非を論じている人たちまでいるのはちゃんちゃらおかしい。
子どもらはもっとも基本的な文の構造さえも知らずに高校に上がる。小学校中学校で7年間も教わっているというのに、a / theの違いもろくに説明できない。これでは「英語が面白くない」と愚痴を言うのも当然である。文の組み立てや超基本的なルールを知らず、どうやって「ミスをしてもいいから話す」というのか。
高木先生と高島市長をはじめとする委員の方々には、しっかりとまっとうな意見を文科省にぶつけてほしい。文科省の面々だって阿呆ではない。官僚も(もしも外国語が使えるのであれば)英文の構造や基本的な英語のルールなどは頭に刷り込まれているから英語が話せるのである。
対策ではなく、勉強をする。このまともな方向に英語教育が向かうことを心から願っている。
木村達哉
追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を火木土の週3通無料配信しています。読みたいという方はこちらから仮登録をし、届いたメールにて本登録をお済ませください。英語勉強法について、成績向上のメソッドについて、いろいろと書いています。家庭や学校、会社での会話や、学校や塾の先生方は授業での余談にお使いください。