9月27日。アルク主催のオンラインセミナーを開催した。英語が話せないと自分では思っているが、実際には話せる日本人が多い。義務教育レベルが高いというのがその理由だが、どうして平気な顔をしてI can’t speak English.などと英語で話す人が多いのか、どうすればもっともっと話せるようになるのか、という話をした。
生徒たちをイギリスに連れていったときのこと。先方のGary先生から呼び止められた。「どうして君の生徒たちはあんなに英語が話せるのか」と尋ねるので、指導をしているからだと答えた。どんな指導なのかぜひ教えてくれと言うので、具体的な方法をイギリス人の彼に教えることになった。
セミナーではGaryに教えたとおりにお話しすることにしている。今日は約210名の英語指導者、教育系企業、県教委の方々がご参加になり、オンラインとは言っても多くの反応(ZOOMにはアクションボタンがあり、拍手やハートマークをいただける)を頂戴した。拙指導法が正しいのかどうかはわからん。が、教え子の大半が英語を話せるようになったのは確かだ。
トレーニングには2種類がある。基礎トレと実践トレである。基礎トレは『ユメタン』や『ユメジュク』『まるまる反復英文法総復習』などを使っておこなう。要は「文を即座に作る」トレーニングである。読んだものを使って行うので、話す力だけでなく、語彙力も読む力も聞く力も上がる。特別なことなど要らない。覚えた文を使って「日→英」をクイックレスポンスできるように反復するのである。『ユメタン』シリーズはそのための本なのだ。
実践トレーニングは具体的なトピックを設定して英語で話す。「日本人の海外移住者が増えているが、どう思うか」「高齢者の運転免許返納についてどう思うか」などなど、身のまわりで起こっていることについて、海外の人たちに話すつもりで英語を話すのである。
この場合、「ミスしてもいいから」とは言わん。そんな甘えたことを言うとっては、いつまで経っても英語力は上がらない。AIを使いながら徹底して自由英作文をし、最終的には顔を上げて目の前の友人たちに話すのである。語彙力、英作文力が上がるし、英作文の文法的なミスが減るから入試対策にもなるし、英語を話せるようにもなる。
基礎トレと実践トレのどちらも必須だが、教員の姿勢が甘いと生徒は真剣にならない。目の前にいるのは、実際には友達であるから、外国人に話しているという空気が出ないのだ。セミナーでは、圧倒的な量をこなす重要性についてもお話しした。参加された先生方から、多くのLINEやMessengerを頂いているが、根底にあるのは「英語を話せる人を増やしたい」という気持ちである。英検対策だの入試対策だのばかりやっていては、この国はタイタニック号の末路をたどる。
木村達哉
追記
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