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ついに万博

2025.09.30(火) 10:00

9月30日。人出の多い場所と渋滞が大嫌いである。夏に沖縄に行かないのは、超がつくほど湿度の高い気候が嫌だからというわけではない。のんびりする場所に大急ぎで移動する人たちが殺到する。当然ながら夏の沖縄は物価が高くなる。人が多いとこうなりますという典型の場所で、だから行かないのだ。

同じ理由で、万博など誰が行くものかと思っていた。わしの場合、1970年の万博に行ってえらい目に遭っている。酷暑の中、なんでこんなところにおらないとあかんのやと思って不貞腐れ、自動的に両親からどつき倒され、弟と喧嘩をした。万博など誰が行くかと思っていたのは6歳の記憶が原因でもある。

ところが、妻がどうやらむずむずし始めた。加えて、今日から妻のお母さん、つまり義母が拙宅にやってくる。万博に行きたいと言っているようだ。わしに行く行かんの決定権があるわけがない。しかし、チケットなど取れるわけがないやないか。ネットで見ると、行きのバスは16時過ぎのが空いていた。バスだけ予約した。行ったらなんとかなるやろと高をくくっていた。

その旨をFacebookに書いた。すると、大阪で英語塾を経営されているH先生からDMが届いた。どうやって中に入りますの?と。バスでとりあえず西ゲートまで行って並ぶわと返事をすると、並んでも予約がないと入れませんよとのこと。んなこと言うたかて、わし、どうしたらええねん?

そのあとのH先生の行動はマッハ号も驚くほどの速さであった。10分か15分か後に3人分のQRコードが届いたのである。これで入れるん?と返事をすると、スマホに保存してください!と、紙に印刷したらあかんの?と返すと、あかん!と、適格かつ迅速なるメッセージが次々に届いた。

おかげで今日は3人で万博会場に入ることができた。彼女の微に入り細を穿つご指導のおかげで、いくつかのパビリオンに入ることができた。ここへ行け、あそこがすいてる、こっちなら入れる、というメッセージを見ながら、こうやって教えてもらわな何もできん自分は情けないが、それでも支えて頂けるありがたみを感じながらあっちこっちを歩いた。

人がいっぱいと聞いていたのでかなり覚悟していたのだが、西ゲートで5分ほど、スペイン館で10分ほど並んだ以外はすんなりと入ることができた。大事なのは行くことやし、パビリオンはあきらめようやと言っていたので、あんなにも「誰が行くか」と言っていたわりにパビリオンに入ることができたわしはきっとニタニタ笑いながら歩いていたと思う。

H先生には感謝しかないな。灘校の元同僚も西南学院の田中君も、行く前はぶつぶつ言うとったが、行ったら行ったで楽しんでいたようだ。わしの周囲の男たちよ、反省しろ。わしも反省しとる。楽しかった。行ってよかった。ただ、ひとつだけ、妻がぽつりとつぶやいた「次はサウジアラビアらしい」という言葉には戦慄を隠し切れないでいる。

木村達哉

追記
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