10月1日。今年もあと三か月である。2026年はどんな年になるかななんてのんびり考えるのも楽しい。まだ90日ほど残ってるぞと今年の担当神が怒るかもしれんから、あともう少し頑張ることにしよう。そう思って、わしは今、なんの仕事を抱えとるのやろうと書き出して整理してみた。
そもそも整理せんとわからん時点でプロとしては失格だぁ、と厳しい謗りを受けるかもしれんな。が、勤め人の方々とは違い、物書きなんてのはそんなもんだ。川面にたゆたう泡、空を流れる雲、路傍に落ちとる犬のうんこのような存在で、いなくても誰も困らない。社会的不適格者、おおいにけっこう。それぞれの作家が書く文章が好きだというファンの方々に支えられている存在なのである。
で、勝手に書いている小説を含めると九冊。
九冊も抱えとるの、わし?
これは計画を立てな各所に迷惑がかかるな。ほんの少しだけやが焦り始めた。みんなもっと急かしてくれんとあかんがな、とこれまた他人のせいにするのも悪い癖である。出版社の皆さん、すみませんが、肛門からびゅーびゅーと血が噴き出るほどわしのケツを叩いてくださらんか。
九冊も抱えていることがわかったわし、今日から90日は生まれ変わったように仕事をしようと思う。で、そう書いていてもなかなかリボーンしないわしのことなので、ここに書いておく。幸いにして逆流性食道炎により、アルコール摂取はかなり控えている。なにが幸いするかわからんな。宴会では乾杯の一杯だけで、あとはウーロン茶である。
これまた幸いにして、編集者という人種は厚かましいに「ど」が付く連中ばかりである。ご多忙でしょう、ご自愛くださいなどと遠慮していると、物書きはそれに甘えてちっとも動きやがらないことぐらい身に染みてわかっておられる。担当の編集者は皆さん、わしのことを極めてよく知っておられる。わははは!
「いつできますか?」「もうすぐです!」という蕎麦屋の出前よろしくテキトーな返事をしてばかりいるのではなく、今年の締めにふさわしい仕事ぶりを発揮してやろうじゃないかと、自らを激励する日となった。がんばらなあかんな。とりあえず九冊のうちの一冊は、絶対に11月中には仕上げる。
木村達哉
追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を火木土の週3通無料配信しています。読みたいという方はこちらから仮登録をし、届いたメールにて本登録をお済ませください。英語勉強法について、成績向上のメソッドについて、いろいろと書いています。家庭や学校、会社での会話や、学校や塾の先生方は授業での余談にお使いください。