10月10日。プラハにいる。チェコ共和国の首都である。現在は資本主義経済のこの国だが、チェコスロバキア時代は社会主義国家だった。国体が激しく変化してきた歴史を持つ。。NATOやEU、OECDの加盟国だが、通貨はチェココルナ。ユーロではない。治安は極めて良い。
プラハと言えばプラハの春を思い起こす人も多いはず。社会主義国家の枠内でも自由を求めた人々。言論の自由、集会の自由、検閲の廃止などを求めた「春」だったが、ソ連軍によって鎮圧された。極めて多くの血が流れた。
歴史を繙くとスラヴ民族がどれだけ翻弄されてきたかがわかる。細部を語れるほど歴史的知識を持っているわけではないが、中欧中世最大の奴隷市場と言われたプラハを歩き、今は笑顔でスマホを街に向ける我々観光客の足元にある石畳は、どれだけの血と涙を見てきたのだろう。ここは人々の血が作った国なのである。
歴史の授業は実につまらなかった。勉強の仕方を間違えていたのと、先生の授業が極めてへたくそだったのが原因だと今ならわかる。歴史は知識と思考が土台ではあるが、暗記の仕方を間違えるとどうしようもなくつまらない。プラハの春は1968年、首謀者はドゥプチェクなどという暗記にはまったく意味がない。
同じことが英語の学習にも言える。自分が語れるように覚えなければ暗記には意味がない、とわしは思う。英語の文章を読んだら、否、何度も何度も読んだら、自分でその内容について喋ってみる。単語集も同じ。英文を見て、発音して意味をとったら、自分でその文を空で言ってみる。そういうことの繰り返しで知識は頭に刷り込まれる。
今はプラハからバスで4時間ほどいったところにある小さい村にいる。部屋にはティッシュの箱もない。人々は愉快にビールを飲んでいる。ああ愉しい、もいいのだけれど、この人々の祖先はどうしてこんな国境の村にやってきたんやろなどと考えること、繙くこと、そして空に向かって何も見ずに語ってみること、である。
木村達哉
追記
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