10月27日。萩高等学校は山口県最古の高等学校であるが、『ユメタン』『ユメリス』などをご採用くださっている関係で、この時期に講演をお願いされる。今年で9年連続9年目。ある意味、わしは萩高校最古参の教員である。今年も二日連続で講演というか英語授業というかを仰せつかった。
今日は高校1年生。英語が苦手な生徒が多いと事前にうかがっていたので、基本的な英語勉強法についてお話しした。いくら模試を受けても、いくら英検で合格しても、基本的な勉強を自分で積み重ねない生徒はそのうち苦手になる。
終了後は、先生方との懇親会まで時間があった。アルク植元君と妻を引き連れて松下村塾、松陰神社、そして萩城跡へ。生徒たちにも、これだけ吉田松陰先生の思いがこもった場所にいるのだから、しっかり勉強してえらい人になれよと語ったのだけれども、やはり萩に来ると教育者としては身がぐっと引き締まる。

勉強するというのは、要するに簡単に書けば、明日もしっかりと生きるということだ。明日も明後日も着実に生き、できることならば自分だけでなく他の人たちの幸せにも貢献するということである。吉田松陰は日本の明日をじっと見ておられたのだろうと推察する。
松下村塾、まだ行ったことがないという人のために書いておくが、玉木文之進が開いた極めて小さい小屋である。よくこんなふた部屋しかない小屋から伊藤博文や山県有朋、高杉晋作など、文字どおり、日本の明日を担う人材が出てきたものだと驚く。
長州藩の公立校である明倫館(萩高校は明倫館の流れを汲む)には武士しか入れなかったが、対照的に松下村塾は身分の隔てなく塾生を受け入れた。当時の「教室」で、どのような会話が交わされたのだろうと考える。もしその中に自分がいたら伊藤や山県たちとどういう行動をとっていただろうと考える。
今の子どもたちは、もしかしたら明日を見ないのかもしれないな。だから勉強も読書もしないのかもしれん。あるいは、恵まれている子どもが多すぎるのかもしれない。10万円以上するおもちゃを買い与えられていてはファイティングスピリットが萎むのも無理はない。
明日は高校2年生に授業である。松下村塾でエネルギーを充満させた当方の気合いが伝わればいいなと願っている。
木村達哉
追記
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