10月31日。萩から帰ってきて今日で3日連続休み。秋は講演が多くて(その割に財布は薄くなっていくが)なかなか執筆に集中できない。この3連休は自分で言うのもナンだが、かなり頑張って書いた。おかげで小目標を達成することができた。
出版が前提となっている原稿は書きやすい。編集者との打ち合わせを通じ、書くべき道、言うなれば羅針盤が指す方向は明白である。港は見えないにしても、進むべき道は陽に照らされている。それを予定どおりに進むかどうかは横に置いておくにしても、である。
しかし、自ら湧き出る衝動に任せて書く原稿、つまり出版社に依頼されたわけではない原稿の場合、その勝手は大きく異なる。手元に羅針盤はなく、陽の光もたどり着く港でさえも深い霧と黒雲に閉ざされている。陽の目を見ることはあるのかな。疑心暗鬼になりながら、それでもせっかく港を出たのだからと前へ前へと進んでいるのである。

その点で、この3連休は楽しくもあり苦しくもあった。せっかくの「休み」なのだからと朝早くからパソコンを開き、気合いを入れて「陽が当たるであろう原稿」を完遂させるべくかたかたとキーボードを叩き、昼食のあとは「陽がささないかもしれない原稿」に頭をひねっていた。
このブログの主語が「わたし」になったり「わし」になったり「吾輩」になったり「俺」になったり「当方」になったりするのは、二種類の原稿を行ったり来たりしているうちに脳がバグるからである。今後は統一できるよう、壊れた頭を修復しよう。
明日からは講演ライフがリスタートする。脳がバグるなどと言っている場合ではない。しかしまあ、空いた時間にいつでも書ける準備だけはしておこう。書いているうちにだんだん壊れてきて無口になるので、講演と執筆は相性が悪いのだけれど。
木村達哉
追記
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