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切に願う

2021.07.21(水) 11:20

米子の高校が野球の大会への出場を棄権するというニュースが流れたとき、てっきりその野球部の生徒が感染したのだろうと思っていたのです。だから、感染したのが野球部の生徒ではないと聞いたとき、またつまらない大人たちが馬鹿な判断をしたものだと思ったものです。思考停止するとそうなります。ふわっとした批判を恐れると、動かないほうが得策なんですよね。

ところがその生徒のひとりがツイッターでなんとかしてほしいと訴えたことを受け、理性的な大人たちが声を上げ始めました。そして、思考停止&前例主義で頭が凝り固まった大人たちを動かすことになり、結果的に試合ができたということです。ツイッターがきっかけになったというのですから、SNSも馬鹿にはできないですね。いずれにしても、高校生もおかしいと思ったら声を上げるべきだという前例ができてよかったと思います。試合に勝ったとか負けたとかいうのはあまり関係なく、試合ができたことが何よりよかったと思っています。

思考停止した大人によって機会を奪われた中学生や高校生は、米子の生徒たちだけではありません。整合性を考えるのであれば、最後の大会が出来なかったすべての学校や生徒たちに対して、然るべきムーブメントを起こした方がいいのではないでしょうか。そして本来的には、その県選出の政治家こそ、こういう時のために、調整役にならないといけないし、仕事をしないといけないと思っています。選挙のときだけコメツキバッタよろしく頭を下げているだけでは駄目です。

と思っていたら、今日は石川県の星稜高校で感染者が6名も出てしまって、これ以後の試合を棄権することにしたと報じられています。あぁ、心が痛い。オリンピックはやっているじゃないか。感染していない子たちだけで試合はできないものか。せめて出場させてやってほしいし、そうすることで感染してしまった子たちも救われるというものなんだけど。感染者が出たら棄権するというガイドラインがあるのかもしれないけど。

この状況で感染者を責めるのは酷というものです。感染して試合に出ることができなくなったというと、感染した子どもたちは自分を責めるものです。自分が感染していなかったら甲子園に出ることができたかもしれないのに、と。特に地方に行くと、感染者がまるで悪者であるかのように扱われ、自宅を引き払って町を出て行った感染者もいるそうです。犯罪を犯したわけじゃないのに。

星稜には僕もお世話になって、幾度となく行かせていただいたんです。星稜だけじゃなく、福井商なんかもそうなんですけど、新型コロナウィルス感染者が出たせいで出場ができなくなったという高校生たちへのフォローがしっかり行われていることを切に願っています。

木村達哉拝