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長期的に俯瞰的に

2022.04.18(月) 10:00

日本の高校生の場合、だいたい高1が終わってから文理に分離されますよね。はい、しょうもないです、悪かったな。で(笑)その弊害というんでしょうか、デメリットの方が大きいんじゃないのという声がずいぶん前からあるわけです。特に僕のように私立文系なんていうと、英語と国語だけで合格できますので(日本史も勉強はしたけれども)、非常にバランスの悪い大学生ができてしまうのです。

生徒サイドからすれば「勉強しなくて済む」わけですから、楽になりますね。理系に進むと理科が2科目必要ですから文系よりもずいぶんタフですが、それにしたって地歴公民をがっつりやる必要がなくなるのですから、僕の世代の国公立大学志望者に比べれば楽です。

僕などもそのアラカルトによって救われたクチではありますが、大人になると数学やっときゃよかったな、理科も好きだったのにさぼったせいで大人になってから知識欲が出てきちゃったななんて思います。そして自分で理科の本を買ってきて読むわけですね。その点で、学びはもっと長い目で見なければならないように思われます。それを大人が教えてやらんとあきません。

例えば、理系に進むと英語は必須です。こちらの動画でも話しましたが、英語が苦手だから理系に進もうかなぁなんて間違った考えをしていると、大学に入ってから強烈に大変な目に遭います。また、理系であっても読む力はかなり重要ですので、理系だから国語は苦手でも大丈夫なんて考えていると、合格はするかもしれませんが、合格後にかなり苦しい思いをすることになるでしょう。

大事なのは大学に入ることじゃないんですね。大学合格後、あるいは大人になってから、しっかりと社会の役に立つ人材になることです。他の人たち、特に悩んだり苦しんだりしている人たちのちからになることなのです。どういう職業に就くにしても、です。

「これは要らないから学ばない」とか「先生が前で喋っているけど無視して内職してやろう」などとあさましいことを考えているような連中が、他の人たちのちからになる人材になれるわけないですわな。しかし、そういう残念な考えに子どもたちが至るにはそれなりに理由や環境があるわけで、教育に携わる大人(親と教師)はもろもろ自分の胸に手を当てていろいろ考えないとあかん気がしますね。人生を長期的に、そして俯瞰的に、しっかりと見ることが大事なんやと、僕は思っています。

木村達哉拝