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灘校生からのメールで

2022.07.02(土) 06:50

灘校の生徒からメールをもらいました。もちろん教え子ではありません。現在の灘校生たちのことは、数名の野球部生徒を除けばほとんど知りません。その生徒は、学年で採用している単語集とは別に、東大に合格した先輩に勧められて『新ユメタン②』を使っているそうです。

こういうのは本当に嬉しいですねぇ。先輩から「語彙力とリスニング力を同時に伸ばせ」とアドバイスを受けた彼は、僕の本を使ってくれているそうです。彼も合格して、後輩にメッセージを受け継いでいってくれればいいなぁ。

すべての教材に言えることですが、全員に役立つ教材ってあり得ません。例えばですが、進研模試の偏差値が80の生徒と50の生徒では使うべき教材の量も質も異なって然るべきです。偏差値80の生徒はすでに合格圏内に居るのですから、今の力を九九なみに定着させることと、大学に進んでからどう勉強するのかを考えて勉強すればいいのです。

一方で偏差値50の生徒は大学(にもよりますが)合格圏内には居ません。しかし、知識を定着させるにつれて数字は上がります。たとえば、『ユメタン⓪』レベルの語彙も知らない生徒であれば、いくら難しい単語集を使っても成績は上がらないでしょう。

その点で、勧められた教材やネットで紹介されている有名な教材を、これなら成績を上げられるのではないかと思って手を伸ばすことは危険です。せめて現物に目を通し、今の自分が続けられるレベルなのかどうかをチェックするべきですね。たとえば、トランスクリプトを読むことすらできないリスニング教材は向いていないわけで、せめて読めるようになってからその教材を買うべきです。

今年も多くの学校でたくさんの生徒たちが『新ユメタン』や『新ユメジュク』を使ってくれています。でも、自分には簡単すぎるなぁ(or 難しすぎるなぁ)と思ったら、もっと難しい(or 簡単な)ものにスイッチすることです。学校では『新ユメタン①』を使っているが、今の自分はもっと高いことをやりたいと思うのであれば、先生方の指示には従うにしても、『新ユメタン②』や英検1級用の単語集などを使って勉強すればいいのです。

そうすれば、学校では『新ユメタン①』を使っているのですから共通テストレベルの簡単な語彙を復習できますし、自分の勉強では二次試験レベルの語彙を覚えることができます。同じレベルの単語集を2冊持つのはナンセンスですが、レベルを変えた2冊持ちは上に書いた理由で極めて有効なのです。

木村達哉拝