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考えるチカラの肥やしとして

2022.09.29(木) 05:50

毎日毎日ぼくらは鉄板のぉと歌ったのは子門真人さんですが(だれそれ?という人はググれ)、僕は毎日毎日パソコンに向かって、本を執筆しています。遅々として進まず、なのですが。

遅々として進まない理由は、本を書くというのはなにかを流れ作業的に作るような機械的作業ではなく、脳から知識と知恵を引き出しながら適切な日本語の表現を探す作業だからです。そうすると、神様が降臨してくれるのを待つ時間が長くなります。

AIは役に立ちます。でも、それだけでは心もとないものですから(AIの精度はそれほど高くないのです)いろんな書物を繙くことになります。辞書が役に立つのは言うまでもありません。『舟を編む』という小説をお読みいただければおわかりいただけるはずです。

今まで読んだ英語の本や日本語の本でピックアップしたピースが僕の脳内に連綿と積み上げられていっています。自分では意識していませんが、読んだ文章の中に出てきた知識や情報や言葉が少しずつ少しずつ溜まっていっているのです。忘れてしまった量は膨大です。が、残っているものもあります。それらがチカラとなります。何のための? 考えるための、です。

特に、知的産業に携わりたいと思っている若い人にとって大切なことは、文章をたくさん読んで、いろんな知識や情報や多くの表現を知っておくことでしょうね。ネットがあるから知識なんて要らないというお馬鹿な人はもうどうしようもないので放っておくとして。

然るべき立場になると、これはどんな仕事でもそうだと思うのですが(芸能関係などは違うけれども)、文章を書くことが多くなります。なかには本を書く人もいらっしゃるでしょう。その際に必要なことは、あなたの脳に蓄積されてきたピースの質と量なのです。

ネットで調べて書くという場面も確かにありますが、それだと驚異的に遅くなってしまって、無能をさらけ出すことになります。大事なのは脳内情報の質と量なのですね。それにネットやAIの情報が加わると鬼に金棒になります。

若い人は、騙されたと思っていろいろ読んでおくことです。お勧めなのは、ノートに抜き書きしておくことです。Facebookなどに抜き書きしてもいいのですが、誰かに読んでもらうことを意識しているようなFacebookはあまりお勧めできません。あなたが覚えるために書くのです。それはノートに手を使って書くのが一番効果的です。そのうえで、それを何度も読み返すことです。

何度も読み返しているうちに、昨日のブログに書きましたが、九九のように脳に刷り込まれていき、徐々に知恵(考えるチカラ)の肥やしになっていくのです。調べないとわからないことは、情報でも知識でもありません。そんなのはほとんど役には立ちません。瞬時に脳から出てくる情報や言葉が大事なのです。

木村達哉拝