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DeepLやらChatGPTやら

2023.02.09(木) 11:00

相変わらず秋田にいて、雪景色を眺めている。昨日は湯沢高校の校長先生や教頭先生をはじめ、英語科の先生方と旨い日本酒をいただきながら、教育について語り合った。私は新潟産業大の客員教授や関西学院大学のフェローを仰せつかっているので辛うじて教育者と呼ばれているものの、中学校や高等学校の現場を離れているので、最近の教育事情について教えていただけるこういう会は大切にしたいのである。

決して酒が飲みたいというわけでは・・・ないこともないが、ないと言っておく。

最近はやはりAIについて話すことが多い。DeepLやChatGPTについての知識は持っておいたほうがいいし、それをどう使うのかを考える機会を持たない教員はどんどん隅っこに追いやられていくだろう。こんな私でも、毎日それらのAIを使いながら文章を書いているし、英語の文章を書いたらそれらに落とし込むのである。Z世代の生徒たちは、私よりずっと有効にそれらを使っていることだろう。

そりゃあAIだって、完全に正しいわけではない。が、参考にはなる。否、かなりなる。しょうもない不勉強な上司や先輩に昔ながらのアドバイスを仰ぐぐらいなら、AIを叩くほうが速い。AIの回答を鵜呑みにするのは阿呆のすることだが、使わないのも阿呆だ。

昨夜は先生方に私がChatGPTを使っているのを見ていただいた。OPEN AIにいくらか宣伝費をいただきたいものだ。ChatGPTに「夏目漱石ってどういう人ですか」と打ち込む。すると何秒かのちに、夏目漱石についての簡潔な文章が徐々に組み立てられていく、さらに数秒すればどんどんその文章が長くなっていき・・・完成まで15秒といったところか。

さらに「夏目漱石の『こころ』の感想文を英語で書いてね」と打ち込む。すると極めて簡潔な英語の感想文が完成する。初めて見た先生方が目を丸くしていたのは当然。「これで感想文の宿題は出せなくなった」や「自由英作文の宿題も出せないので、授業中に書かせることになる」などといったコメントが彼ら彼女らの口から洩れ続けた。

現代の教育はAI抜きにしては語れない。アナログな宿題を出すと生徒たちはAIを立ち上げる。以前、キムタツチャンネルで話したとおり、これからはアチーブ型の課題を課すことになろう。「3月中に英検2級で80%が取れるリスニング力をつけてきなさい」といった課題である。

もちろん書籍を持たない生徒たちのために『ユメリス』や『まるまるリスニング』などといった教材を何冊か配付するのは教師の役割だろうが、生徒たちはその教材を使おうと他教材を使おうと自由である。力をつけてくれば問題ないのだから。

これらのAIが普及し始めてからまだ間もない。とすれば、3年後や5年後のAIはどうなっているのだろう。DeepLやChatGPTがアウトデイティッドだと笑われる時代も来るのだろう。学校が、通学が、そして教員が、アウトデイティッドになる可能性も決して低くはない。通信制の高校や大学の普及によりすでに学校のない社会はSF小説ではなくなったが、その流れは加速度的にぐんぐんと速くなっていくように思われる。

木村達哉拝

追記
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