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人生の岐路はあそこだったのかと

2023.04.11(火) 10:00

鹿児島の読書イベントを大阪でもやってくださいとか東京でもやってくださいとかいったリクエストが届いている。主催者は私ではないのでリクエストはラグーナ出版に届ける以外ないのだが、そういう声があるのは嬉しく思う。

こういうイベントに関しては経費が実はかなりかかる。今回は私が鹿児島に自腹を切って行ったのだが、飛行機代も二泊したホテル代もいただいてはいない。あくまでも、参加してくださった方々に読書の素晴らしさを伝えるボランティア活動なのである。

同じイベントを大阪や東京でやるとなれば、ラグーナ出版の方々や丸山先生に(東京の場合は私も)交通費や宿泊費、機材の運搬費がかかる。それなりの会場を借りるとなれば、またぞろ経費が増える。それを参加者に負担していただくとなれば、参加人数にもよるんだろうけれども、100円や200円というわけにはいかない。

有料になると一気に参加者が減るのが日本である。したがって、地元の鹿児島でしかできないということになるのだ。沖縄の芸人さんが沖縄でお笑いライブをやると2000円なのに、東京でやるとなれば高額になる(逆もまた然り)のはそういう理由である。

その点で東京はいいなぁと、いつも思う。イベントがめじろ押し。さまざまな種類のイベントやセミナーが東京のどこかしらで行われている。美術館や博物館の種類も豊富で、多くの作家なり画家なり漫画家なりの作品を楽しむことができる。ヒトが多いというのはつまり客が多いということなので、東京が情報だけでなく、芸術や文化の中心になるのは経済活性化のためにも良いことなのだろう。

ここまでの人生で唯一の後悔があるとすれば、浪人時代に慶応の仏文科にA判定が出た直後に原稿用紙を買いに行き、受験直前まで小説を書いていたことだろう。高校時代は偏差値が30台40台だった私が浪人して英語も国語も全部A判定になったのに、作家になるぞという想いが強すぎて失敗した。

あのとき、もしも受験勉強を継続して慶応の仏文科に入り、予定どおりに三田文学にどっぷりと浸かっていたとすればどういう人生になっていただろう。今の自分はそれなりに幸せなので関西学院大学の英文科も間違いではなかったが、東京や神奈川で生活をしていたならもっと多くの教養や知識を身につけていたようにも思う。

あの19歳の受験期が人生の岐路だったのだなぁと、ルックバックすればわかる。その時々はそれなりに一生懸命なんだろうけれども、振り返るとあそこだったかと気づかされる。若いヒトはどの大学でもどの企業でもたいして変わらんと思っているかもしれないが、決してそうではない。

木村達哉

追記
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