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正解のない問いに向き合うためには

2023.10.27(金) 09:30

10月27日。いろんな方からいろんな質問が届く。YouTube「キムタツチャンネル」で回答するのはするにしても、そうなると順番待ちの列が長くていつになるかわからない。ご本人には即座にとは言わないまでもそれなりにはすぐにお返事をさせていただいている。

簡単な質問ばかりなので助かる。これが資料を読まねばならないような質問であれば、けっこうな時間を要することになる。これからの日本はどうなるのですかといった重い質問も無い(そもそも私に質問するのは畑違い)。だいたいが成績や英語に関することばかりで、言うなれば平和である。

最近は「正解のない問いに答える能力」を涵養しようという意識が教育界で高くなっている。それ自体は非常に素晴らしいことだが、それをしようと思えば日本だけでなく世界各国の歴史、文化、思想、宗教などを勉強して知っておかねばならない。知識の乏しい者同士が正解のない問いに向き合うとろくなことにはならない。

たとえば、ロシアとウクライナやイスラエルとハマスの戦争が報じられている。歴史も宗教も知らない者同士がこれを議論するとどうせ「戦争はいけない」だの「話し合いで解決」だのと言い始める。それ自体は間違いではないけれども、そんなことは重々承知なのである。

歴史的に言えば、イスラエルとハマスの戦争だって紀元70年頃に始まったユダヤ戦争が1950年間ほどずっと形を変えながら続いているわけで、2023年に腹を割って話し合いができるぐらいならとっくの昔にやっているのである。知識がない輩は座して黙っておれということだ。

暗記には意味が無いと宣う方がなんと永田町にもおられてバク転しそうになるが、とんでもないことである。考える力や正解のない問いに向き合う力は、信じられないぐらい多くの本を繙き、知識を頭に入れ、そしてそういう者同士が相手を尊重しながら議論しているうちに涵養されるものである。

若い人たちは思考停止に陥ることなく、しっかりと本を読み、そして考えることである。学んだ者だけでディスカッションして、またぞろ本に立ち戻って再び考えることである。間違ってもSNSなどで聞きかじった知識を振りまわす愚を犯さないことだ。

木村達哉

追記
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