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里山資本主義

出版社 角川oneテーマ21
著者 藻谷浩介

老後は田舎で暮らしたいという人が思っている以上に多くて、僕の周囲にも定年退職したあとに信州や飛騨高山に移り住んだ人がおられます。僕も将来は沖縄かなぁと漠然と思っていて、そのためにも教育支援のボランティアを続けていこうと思っています。沖縄に住んだらカネはあまり要らんかもしれんなぁ。タンパク質は海にたくさん泳いでいるし、野菜もたくさんあって、生きるだけならいいかもなぁなんて考えることもあります。本書のタイトルになっている里山資本主義というのはつまりそういうことです。里山(つまり地方)を使うことがその土地のみならず、資本主義経済全体の立て直しのヒントになるという主張が本書全体を覆うテーマとなっています。

確かに都市部のマネー資本主義はすでに行き詰まっています。アベノミクスで株価は上がりましたけれども、所得は下がり続けています。目を地方に移しますと都市部をコピーした生活では立ち行かなくなって、都市部以上に疲弊しているのがわかります。一方で南の島に行くと自給自足している人たちがたくさんいて、Beginの『おじい自慢のオリオンビール』にもありますが、「腹が減ったら海に行く」という生活をされているのを見ると、自分の生活を考えさせられることもあります。

お金を使って生活することに慣れ過ぎてしまった現代人にそういった生活ができるかどうかは置いておくとして、確かにヒントにはなるなと思いながら読みました。海外の言葉に翻訳されて多くの国で読まれている本です。一度手に取られて、自分ならどうするかなと考えながら読まれると面白いのではないでしょうか。