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もうあかんわ日記

出版社 ライツ社
著者 岸田奈美

新年が始まってそろそろ1週間が過ぎますが、もう初笑いはされましたか?まだ、という方にこのエッセイをお勧めします。最近はテレビのコメンテーターとしてもおなじみの岸田奈美さんの作品です。日々の「もうあかん」ことをnote上で公開しておられたものが、書籍になりました。彼女は関西学院大学出身ですので、僕の後輩ですね。勝手に親近感を覚えています。

幼いころに心筋梗塞でお父さんを亡くされ、お母さんも後に急性大動脈解離の後遺症で下半身麻痺になり、車いすユーザーに。弟さんはダウン症で知的障がいをお持ち。そしておばあちゃんまでも認知症となり2時間ごとに記憶がリセットされてしまうというから大変です。今や家族を背負って立つのは奈美さんです。ご家族のことを想像すると、きっとてんやわんや大変な毎日だろうと思うのですが、彼女の書く文章の中で、その大変さは見事にユーモアへと変換されます。よそのご家庭の大変な状況を笑ってしまって良いのか?と思ってしまいますが、笑わずにはいられないのです。「もうあかんわ」な出来事に直面したとき、岸田さんのように笑いに転化できるしなやかさは、生きていく上で大切だと思います。僕は、「お耳たらしとったらええねん」というエッセイがとても好きです。お母さんの岸田ひろ実さんが書かれた「人生、山あり谷あり家族あり」(新潮社)も一緒にどうぞ。