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遺体 ー 震災、津波の果てに

出版社 新潮文庫
発売日 2014年2月28日
著者 石井光太

2011年3月11日がどういう日だったのかを答えられない日本人はほとんどいないのではないでしょうか。当時の私は灘中学校・高等学校の職員室にいて、テレビに映し出されるシーンに息をのんでいました。同僚たちも然り。その後、灘校を辞し、福島に移住した前川直哉先生は息をしていないのではないかと思うぐらい言葉を発することなく、テレビを凝視していました。

翌年、2012年2月に初めて被災地を訪れ、チャリティーセミナーを開催しました。宮城県仙台市と福島県いわき市で開催した2回のセミナーに、驚くほどたくさんの教員の方々が参加され、当時の様子を語ってくださいました。津波後に海岸に行くと数百人のご遺体が浮いていたと、涙ぐみながら話してくださった先生もいらっしゃいます。

本書は、ご遺体安置所となった体育館で、市の職員やボランティアの方々が奮闘する姿を描いたルポルタージュ。目の前で愛する家族が海中に消えていった人々に寄り添い、故人をどう弔うのかに焦点を当てた力作です。類書は数多くありますが、東日本大震災に関連する本の中では名著と呼んでいい1冊ではないかと思い、紹介させていただきます。