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旅をする本 ―開こう、心おどる読書の扉―

出版社 ラグーナ出版
発売日 2020年7月7日
著者 丸山晃

私が灘校に勤務していたときのこと。本書の著者である丸山さんが授業見学にいらっしゃいました。生徒たちに毎月数冊ずつ、自分の読んだ本をコラム付きで紹介している旨を伝えると、「ラ・サールでもやっていいでしょうか」とおっしゃいます。毎月読んでコラムを書くのは大変だけど、外国語の教員(彼も英語科です)が紹介することで、日本語の読書習慣が外国語の力の伸長を助けることが伝わって、良い効果を及ぼすのではないかと申し上げました。

以後、同僚の先生方とともに、灘校での取り組みを彼の学校にも取り入れられ、毎月コラムを発行されています。そして本書はラ・サール中学校・高等学校の生徒たちに向けて書いた書評をまとめ、鹿児島の出版社から上梓されたものです。

書物を紹介するのは難しいのです。まさに今、私が『旅をする本』のコラムを書いているわけですが、内容に触れるのは極力避けねばなりません。ネタバレになってしまうと、その本を読まなくてもよくなってしまいます。また、紹介した本を読者が読みたくなるコラムを書かねばなりません。加えて、それぞれのコラムの長さをそろえなければなりません。でないと、非常に読みにくいコラムになってしまいます。

皆さんが丸山さんのコラムを読み、紹介されている本を手に取ってみようかなと思われれば、そのコラムは成功だということになります。本書ではいろんな分野のいろんな本が紹介されています。お、これは読んでみたいなと思われる本が見つかったときには、丸山さんのコラムに感謝をしながら、さぁ!書店さんに急いでください!