今日は富山高校で講演と授業。講演は高2生全員に英語勉強法。授業は高3希望者対象に難関大レベルのもの。生徒たちがやる気になってくれればと願いながらできるだけわかりやすく懇切丁寧に説明申し上げたつもりである。
言語の学習は、それが英語であれドイツ語であれ日本語であれ、音から入る。Mein Name ist Tatsuya Kimura. Ich wohne in Nishinomiya. Bitte grüßen Sie mich herzlich.の意味を答えろと言われても、音がわからなければ読めないし、読めないものは単語も文法も覚えることなどできないだろう。音がわからなければモチベーションも上がらない。つまらない。
意外なほど音を軽視する人が多いように思う。学校にも原因はある。音を徹底的に真似るよう授業中に時間を割いて教えている教師は少数派である。特に小学生中学生の英語の勉強を始める段階では、変な癖がついてしまわないように音声を真似る習慣を作ることが肝要である。エフは唇を噛みますなどと嘘をついている場合ではない。

『ユメタン』を覚えるときもリスニングをやるときも常に音を暗記することを念頭において音読することが大切で、意味やスペリングはその後なんやでと言いながら、実際に教材を使って生徒たちに声を出してもらった。そもそも子音の知識がない生徒たちも多かったので、thやfやvなどの音の出し方(口の形)についても説明申し上げた。
富山高校はそれなりの進学校である。実際、高3の難関大英語学習法の講演に来た生徒たちは60人。しかし、下線部訳や四択で点数を稼いで偏差値は高いけれど、リスニングもできなければ話すこともできないというようでは、一生懸命に英語を勉強したのに使い物にはならないということだ。それでは外国語学習が苦しみとの闘いになりはしないか。
せっかくやるのであればめちゃくちゃ英語が聞き取れるし話せるという学習をしてほしい。そりゃあすぐにできるようになるようなものではない。なんだ、全然聞き取れるようにならんじゃないかという気持ちとの闘いである。しかし、続けていれば必ず聞き取れるようになる。頭から意味をとって聞くことができるようになる。
音声を大切にしてほしいと願って作った単語集が『ユメタン』である。自分は大学に入ったら英語を使って次のステージに行くのだという気持ちで、対策ではない「勉強」「学問」に勤しんでもらいたい。
木村達哉
追記
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