秋田県立秋田南高等学校で講演をするために秋田へ飛んだ。ところがこの時期の秋田である。すんなりいくわけがない。案の定、伊丹空港では「仙台空港に向かう場合もあります」とのアナウンスが繰り返されている。この時期の秋田空港は濃霧や積雪がひどくて、簡単には近づかせてもらえないのである。
大丈夫かいなと思っていたが、無事に着陸。むしろ私のフライトより先に羽田を出たはずのアルク植元君を乗せた飛行機のほうが遅く着陸した。後で聞くと「空の上で1時間ぐらいぐるぐる回っていました」とのこと。まぁとにかく着けてよかったやんと、雪景色をバックに写真を撮り、同校の小松先生に送った。ようこそ!秋田へ!と返信が届く。
秋田南高校まではレンタカー。運転は植元君。タイヤの轍(わだち)を走ったほうがいいんちゃう?いや、轍じゃないところのほうがいい気がします!など大騒ぎしながら、無事に同校に到着した。なにしろこんな雪の中を運転することはめったにないので、彼にしては珍しく、アクセルは控え目だった。


高1は『ユメタン』を、高2は『トレセミ』を使って勉強している。『東大英語リスニング』の採用履歴があるそうだが、冊数から考えるとおそらく高2の希望者かもしれない。生徒たちの聞く姿勢は極めて素晴らしく、メモをとったり頷いたりしながら主体的に人生を考えてくれていたように思う。
終わってからは30人ほどだったか、私の著作を手に近づいてきたのでサインさせていただいた。ありがとうございます!講演お疲れ様でした!の声が嬉しい。しんどいときもあるだろうが、努力してもらいたいなと思う。
夜は夜で秋田南だけでなく、秋田高校や県教委の先生方が集まってくださって駅前でおおいに語り合った。教育について、英語について、秋田について、兵庫県知事選について、投資について。また来年もお願いしますと言ってくださったので嬉しかった。できれば雪のない季節に依頼してくださいと言うと、座がどっと沸いた。
秋田の先生方と生徒たち、これからもよろしくお願いします。また来年、本当に呼んでくださることを期待しながらチェックインしているホテルに、雪の歩道をへっぴり腰になって戻った。とてもいい日になった。
木村達哉
追記
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