大阪の関西創価高校で講演。拙著『ユメタン』を使っている生徒たちに、英語の勉強法や単語の習得法、そして英語を勉強する理由についてお話し申し上げた。全校生徒が集まったほうの体育館(他にも体育館はある)は冷房が効いていて、快適そのものだった。夏の体育館での講演は基本的にお断りしているが、冷房完備なら話は別。
音読の方法にしても英単語の覚え方にしても、こちらとしては説明申し上げるのだけれど、肝心の生徒たちが声をしっかりと正しく出さないとまったく意味のない講演になってしまう。その点で、関西創価高校の生徒たちは極めて優れていた。こんなにも声が出るのかと驚いた。自分らお利口やなぁと褒めたたえた。生徒たちは照れて笑っていたが、本当に驚いた。
普段から『ユメタン』にしても他の教材にしても声を出す習慣が身についているということやろうな。その点で、生徒たちもえらいが先生方がなによりえらい。ご指導が優れていることの証左である。口だけでなく先生方も声を出しておられるんやろう。そうでないと生徒らは声を出さん。
約45分の講演終了後は20分の質疑応答。そんなに長い時間の質疑応答はあまり経験がないが、本当に生徒らは手を上げるんかなと心配しとったが、杞憂に終わった。質問ある人!とMCの先生が叫んだ瞬間に生徒らが手を高々と上げた。ひとり終わったらまたひとり。時間終了までずっと続いた。
失礼を承知で先生方にお聞きした。事前に仕込んでおきましたか、と。先生方からのお返事は否であった。いつもあんな感じですとのこと。こんなに積極的な生徒たちにはなかなかお目にかかれない。高校時代の私があの中にいたら、きっと聞きたいことがあっても手を上げることなどできんかったやろう。
一番返答に窮した質問は、今までで木村さんに最も影響を与えた本を一冊だけ教えてください、というもの。1分ほど考える時間をいただいた。体育館がシンと静まりかえった。自宅には本棚が10台ほどあって本が何百冊と詰まっているのやが、そのうち一冊だけということになると、小学校4年生のときに読んで衝撃を受けた『人間失格』やな、と言うとどよめきが起こった。
講演が終わって控室で英語科の先生方と懇談したが、やる気のある先生方が多い印象を強く受けた。多くの生徒たちは創価大学に入学するらしいが、一般受験をして国公立大学を目指す生徒らもいるとのこと。どちらも英語は人生かけて続けるものだから、英語が話せるようになる自分作りに拙著がお役に立てばと願う。
木村達哉
追記
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