5月11日。以前も書いたが、健康のためにしっかりとゴルフをやるようになった。野球の場合には選手と観客にはかなり大きいギャップがある。選手はplayする人、観客はwatchする人である。ところが、ゴルフはプロも観客もほぼ全員がplayerである。
一昨年あたりから、プロゴルフを直接観る機会を意識して作るようになった。六甲や御殿場でプロゴルファーたちのプレーを観るのは、watchするだけでなく、そしてadmireするだけでなく、learnしているのである。その証拠にここかしこでクラブを持たずに素振りをしている男性と女性の姿を見ることができる。
全員がプレーヤーなのである。
プロ野球を観なくなって数年経つ。誘われたら球場には行くが、テレビではまったく観なくなった。ドラゴンズファンですと言いながら、試合があるのかないのか、そもそもいま何位なのかも知らない。子どもの頃は野球しかなかったからドはまりしたが、今はそれ以上に面白いものがある。野球好きが過去形となった。
さて、女子ゴルフのワールド・サロンパス・カップ最終日であった。申ジエが藤田さいきとのプレーオフ(PO)を制し、国内四大会5勝目を手にした。通算29勝目で永久シードまであと1勝。藤田は2度目の四大会優勝を逃したが、彼女は39度の発熱を押しての出場で、医師からも棄権するよう言われていたという。
どちらが勝っても大会史上最年長Vとなる公式戦。途中で棄権したくはなかったのだろう。まさに壮絶な死闘。藤田は終了後に立ち上がることができず、マネージャーの夫におぶられて救急車に乗せられた。周囲でPOを観ている若手選手たちが感動して泣いているのが印象的だった。
プレーする側に立てば、野球で言うとホームベースからレフトスタンド上段まで還暦を過ぎた私でもボールを飛ばすことができる。プロはその距離をピタリと狙った場所にボールを落とす。ゴルフなんて腹が出たおっさんのやるスポーツやろとか、止まっている球を打って何がおもろいねんとか、無知をさらけ出していた頃の自分をぶん殴りたい。4日間集中し続けるプロのプレーは、観る私たちを感動させる。
今年もプロゴルファーたちが華麗なプレーを見せてくれる大会を予約した。プロたちがスタート前にアプローチやバンカーの練習をしているのを観るのも勉強になる。石川遼や鈴木愛、堀川未来夢や河本結の華麗で正確なショットを観て、自分もこんな場所でできればいいなと思っていたら、プロと同じ場所でプレーする機会も得た。
何歳になっても妻と一緒にラウンドできればいいなと思う。こだわってやるからには口先ばかりではなく、周囲に笑われるほど真剣に練習をし、プロでもないのに体幹を鍛え続けねばならない。言語や文芸の勉強に加え、ゴルフもすでに私の大切な一部なのである。
木村達哉
追記
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