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本業

2021.05.18(火) 10:00

先日、ある方から「もう英語教育は捨てたんですか」と聞かれてドキッとしました。身体中の皮膚がでんぐり返りになって、血が体内に向かって吹き出すような気持ちになりました。いえいえ、とんでもないですとお答えし、でももしかしたら多くの方々にとっては「英語の木村」や「教育の木村」は過去のものになっているのかもしれないなということに気づかされました。

どうしても日本人は、特に古い人間は、本業に対する意識が強いのですね。

今までだって、木村さんの本業は何ですかと聞かれてきました。給与をいただいているという点では灘校の教員と答えるしかないのでしょうね。でも、仕事に本も副もあるのでしょうか。副というと、どうしても本流に対する亜流のような感覚に陥りませんか。それにしては、皆さんが寝ている間に眠い目をこすりながら原稿に向かい、命を削りに削って83冊の本を書いてきたのです。

それを「亜」とされてはかないません。今までだって、教員であり、そして作家でした。

さだまさしさんを目指して頑張ってきました。さださん、『精霊流し』で全国的に有名なシンガーの仲間入りをしました。『関白宣言』や『雨やどり』など、数々のヒット曲を飛ばし、今もシンガーソングライターとして大活躍されています。日本で最も多くのソロ・コンサートを行った歌手でもあり、その回数は4,400回。

と同時に、小説を書いておられます。童話も。翻訳も。そして映画監督で、俳優もされています。いろんなことをされていて、それでいてやっぱり歌を、特に詩を大事にされています。そして、日本のいたるところでギターやバイオリンを弾きながら、私たちを笑顔にしてくださっています。

僕はやっぱり日本のあちらこちらの子どもたちに、あるいは先生方に、勉強の素晴らしさを話しながら生きていければいいなと思っています。単に「東大合格者数が何人!」なんていう価値観じゃなくてね。困っている人々にエネルギーを与える人間になるために、しっかりと学びませんかと言いながら、生きていければいいなと。

小説を書くのも絵本を描くのも、そのための道具です。言うまでもないことですが、僕の英語の勉強歴についても、そのためのツールなのです。本業は何ですかと聞かれると、だから困ります。強いて言うならば作家でしょうし、噺家なのかなぁと思っています。

木村達哉拝