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どう書くか、どう読むか

2025.05.25(日) 12:00

5月25日。最近のブログはエッセイか小説を読んでいるようで楽しいですと声をかけてくださった方がいらっしゃる。私としては日記を、つまりその日に考えたことやら行ったことやらをつらつらと書いているだけであるが、どういう楽しみ方であれ、文章を読むのが好きな方に読んでいただければ幸甚である。

Facebookやメルマガの文章も含めて、自分の知らない言葉や比喩の使い方が勉強になりますと言ってくださった方もおられる。私の知識量の範囲内で書いている文章なのでたかがしれているのだけれど、それでも日本語表現や修辞技法を学ぶツールとして楽しんでおられるようで、それもまた嬉しいことだ。

文章をどのように読むか。これはこれまで積み重ねてきた読書の積み木の高さやら幅やらによって異なるので、正しいとか間違っているとかいうようなものではない。書いている当方にはそれなりの意図がある。それを受け止める方々には受け止め方の違いがあっていいと私は思っている。

川端康成先生の『雪国』の出だしをご存じだろうか。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。
この「夜の底が白くなった。」は名文であるが、解釈が人どころか国によって異なるのは以前も書いたとおりである。さまざまな言語に翻訳されているが、国によって受け止め方は異なる。文章というのはそういうものだ。

読み方も受け止め方も人によって異なるし正解などない。したがって、国語という教科は「筆者の意図をとる」というより「出題者の意図をとる」ように務めるのが成績向上のコツで、筆者の意図は完璧には誰にもわからないものだ。遠藤周作先生が、ご自身の著作が大学入試で使われたというので解いてみたらことごとく間違えたというのは有名な話。

こちらとしては、受け止め方はどうぞご自由にとは云ってもキャッチしやすいボールを投げようと思ってはいる。さまざまな修辞技法や表現を駆使することで読者に場面や考えを再現してもらいやすい文章を心掛けている。なににしても楽しんでいただければ幸甚の至りである。

木村達哉

追記
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