BLOG / ブログ /

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 課題

課題

2025.05.29(木) 09:00

5月29日。この4月からある大学に通っているが、毎週必ず課題が出る。原稿用紙を使うのは中学生以来かもしれない。課題は提出しなくてもいい。なんの罰もない。現に、5月13日に課された原稿用紙30枚の課題を提出したのはクラスのうち三名であった。もちろん、私はそのうちのひとりである。

若い頃に今の熱量があったらもう少しましな人生を送っていたかもしれないなと思うが、自称大器晩成の私であるからしょうがない。なにをするにも遅すぎることはないという言葉がある。私はそんなことはないと思う。遅すぎると夢は腐る。しかし、今は、今だけは、その言葉を信じよう。

鉄は熱いうちに打てというが、今の自分は真っ赤に焼けた鉄である。今のうちに打っておいたほうがいい。課題はきついが、必ず提出すると約束している。誰と? 自分とである。

還暦を過ぎたらのんびり穏やかに生きなはれと主張する書物が巷に溢れているのは知っている。その教えにしたがうのもよかろう。しかし、私の場合は、若い頃にずいぶん気ままに過ごしてきた。夢と呼べるほどの夢がなかった。その過去があるからこそ、このままじゃ死にきれないなと思いが募る。

のんびり生きて夢を腐らせてしまうのはどうにもやりきれない。

原稿用紙を前に万年筆が止まったままの時間は、やはり苦しいものである。けれども、これは自分で選んだ道。弱音を吐かず、毎週の課題に誠実に向き合おうと思う。一度でも提出を怠れば、自分の性分だとそのままずるずると楽な方へ流れてしまいそうだ。いまは質より量。たとえ睡眠を削ってでも、なんとか書き上げて提出したい。今日は先週の課題を仕上げた。やれやれと肩から力を抜き、妻にもらった万年筆を筆入れにしまった。

木村達哉

追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を火木土の週3通無料配信しています。読みたいという方はこちらからご登録ください。英語勉強法について、成績向上のメソッドについて、いろいろと書いています。家庭や学校、会社での会話や、学校や塾の先生方は授業での余談にお使いください。