6月8日。妻と二人で静岡へ。4月に加藤学園で講演し、その後は英語塾KID’S ENGLISHで子どもたちに講演というほどではない話を小一時間したが、その翌日が快晴で、今まででこんなに大きくてこんなに美しい富士山を見たことがないんじゃないかと思うほどに素晴らしかった。
結果、妻と話し合って、静岡のふもとで本を書くのもいいのではないかということになった。善は急げ。不動産のサイトでペット可の物件を探してみた。静岡、ずいぶん安いんだねと言いながら候補をいくつかに絞った。不動産会社からすぐに連絡があった。遠藤先生のサル真似をするわけではないが、山里のアパートを借りた。
都会ではない。しかし、ドラッグストアやコープなど、それなりには不便を感じないと思われる。なにより道の駅があちこちにある。取れたての野菜や美味い魚が安くで手に入る。なにより富士山が目の前にある。お前、しっかり生きなあきませんでと(関西弁ではないだろうが)言ってくれているように思う。
売れっ子の作家であれば別荘とも呼べるような里山の一軒家で執筆するのかもしれないけれど、私の場合、とてもそんな余裕などない。ただ、ずっとひとところにいるとペースが鈍る。環境を変えねば勉強できない生徒がいるが、私もそうだった。しょちゅう県立図書館で勉強していた。
ぜいたくかもしれないなと思いながら、しかし本以外の買い物をほとんどせず、灘校時代に乗っていた車も手離したことでもあるし、仕事をするための場所をもう一か所確保するぐらいは神様も許してくださるだろうと思っている。ホテルに泊まって執筆することを思えば、静岡のアパートは格安である。
と、こんなことを書いたら編集者が喜ぶのは明らかであるな。しかも品川から新幹線で50分の場所である。これからは逃げられないかもしれないなと思いながら、今日はそのアパートで過ごす準備をした。
木村達哉
追記
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