6月10日。小説家の増山実先生から「小説を書く際に大切な八か条」を拝聴する機会を得た。木村さんなんかもう九十冊以上本をお出しになっているのやから、私の話なんか知っていることばっかりでしょうと仰ったのだけれど、いえいえ、そんなことはありません、目から鱗の話ばかりでしたとお答え申し上げた。
確かにどれも小説の書き方について書かれた書籍には紹介されていることばかり。しかし、実例を含め、具体的に説明していただけるのはありがたい。八つのそれぞれに質問をしたかったが、途中で方向がぶれるのはよくないなと思ったので最後までじっくり聞き、全て終わった後に著作にサインをしていただきながら伺いたいことを伺わせていただいた。
特に「取材をせよ」という言葉が印象に残った。
自分の経験だけで文章を書くと薄っぺらくなります。書籍や資料を繙いたり経験した人を訪ねてお話を伺ったりすることで、文章に説得力と厚みが出ますと仰った。図書館司書と仲良くならなあきませんという言葉に大きく頷いた。
八か条については暗唱しておこう。英語で小説を書く機会もあるが、そちらにも生かしていかねばならぬ。私の場合、作家と言っても小説家ではなかったので、プロの小説家の教えは「ためになった」や「刺激になった」レベルの勉強ではなく、血肉にしていかなければならない。
毎日書いている。書き続けている。周囲から見れば、売れもしない本に時間を割いてと思われるかもしれない。が、書く人生を選んだ私が書かなくなったら文字どおり廃人である。歳はいっているが、気持ちは若手である。
木村達哉
追記
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